武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 信頼できる家庭用医学情報・メルクマニュアル医学百科

 体調がいい時は気にならないが、身近な人や家族または自分の身体のどこかが具合悪くなると、病気や怪我の症状について出来るだけ詳しくて確かな情報がほしくなる。注目されてきているセカンド・オピニオンの活用などもその現れ、医療制度への不信も影を射す。我が家にも小児用から大人用まで、何冊もの家庭医学書が書棚の定位置に鎮座して長い。
 ネットの検索機能が進んできたので、書籍の形をしたものはそろそろ処分してもいいかなと思い、医療情報サイトをチェックしてみて驚いた。家庭用医学書として定評のあるメルクマニュアルの[家庭版]と[日本語版]が検索機能付きで、無料公開されている。
 [日本語版]の方は医療関係者用のものだが、内容も充実しており、無料公開なので手軽に誰でも気楽にアクセスできる。読んでみるとさすがに専門用語が多くて難しいが、きちんとした医療情報に誰でもたどりつけることを保証するという意味では、この公開は素晴らしい。医師の話の予習復習にぴったりではないか。書籍の形で信頼できるものをそろえようとすると結構費用がかかるもの。必要になるのは数ページだけなのだから、ネットでの無料公開は助かる。

 [家庭版]の方も、読んでみると相当に難しいが、手抜きせずにきちんと記述されていることがよく分かる。両方とも、常に最新の情報に改定されているところが嬉しい。調べたい項目に辿り着きやすいように見出しなどがもう少し工夫されるともっと便利になるだろうが、現時点で大きな不満はない。
 結論として、我が家の家庭用医学書、結構古くなっていることもあり、特別に愛着のあるものを除いて、近いうちにお役御免を願うことに決めた。できればメルクマニュアルの[高齢者医療版]もネット公開してもらえると有難いのだが。
 アクセスする際のURLは以下の通り。是非一度ご覧いただきたい。メルク社の日本支社である万有製薬の気前のよさに拍手。
メルクマニュアル医学百科[家庭版]
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/index.html
メルクマニュアル 第17版 日本語版
http://merckmanual.banyu.co.jp/
 (追記)何度か使ってみた結果、分厚い書籍版を探し回るよりも検索機能を使ったほうが、断然便利なことがわかった。必要にして十分な医学情報が、簡単にしかも無料で入手できることを再確認した。素晴らしいの一語。