武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 福島第1原発で起きていることを正しく理解するために(7)


震災から1ヶ月が経過しようとしているが、今もって分からない重要項目の一つに、今回の事故によって福島第1原発から環境中に放出された放射性物質の総量がある。大気中と海洋中にどんな放射性物質死の灰)がどの程度放出されたのか。放出されてどのように拡散していったのか。正確なことは分からなくても、ある程度の幅をもって推定出来るはず、人体や生物への影響評価も是非知りたい。
似たような原発事故として参考のために<チェルノブイリ原子力発電所事故>について調べていたら、京都大学原子炉実験所の研究者である小出裕章さんに辿り着いた。チェルノブイリでの調査を転機に原発反対の立場に立つようになって40年、ひたすら市民運動に寄り添うようにして活動されてきた希有の原子炉研究者である。
そんな小出裕章さんの講演動画が2本、YouTubeにアップされていることが分かったのでご紹介したい。
◎『放射能を噛みしめながら』 (全十回)原子力選択の意味を考える
 1988年10月、今から20数年前に収録された録画、10本に分割されているが、根気よくチェックしていくと、チェルノブイリ事故の悲惨と原発の危険性がひしひしと伝わってきます。
http://www.youtube.com/results?search_query=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%82%92%E5%99%9B%E3%81%BF%E3%81%97%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89&aq=f
◎『隠される原子力 今回の事故を受けて、3月21日に話された講演会の記録、20数年前と基本的に変わらない主張に、<ぶれない人間>の原型を見る思いがして自分が恥ずかしくなる。こちらの動画の方が見やすいので、時間がない方はこちらだけでもご覧いただきたい。
http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk

《追伸》フランスの原子力安全研究所IRSNが、福島の海洋汚染シミュレーションを公開している。海中へ放出された放射性物質の拡散予測が恐ろしい。
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact-accident-Fukushima-sur-milieu-marin_04042011.pdf