武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 10月第1週に手にした本(03〜09)

*同じ本を買ったり、読んだことを忘れたりするようになってきたので、読んだり読みかけたりした本を備忘録としてメモ、週1で更新していきます。
米原万里著『必笑小咄のテクニック』(集英社新書2005/12)*小咄の可笑しさをどこまでも技術として語ろうという企画がよかった。生で万里さんの小咄を聞きたかった、惜しい人を亡くした。
結城浩著『数学ガール』(ソウフトバンク・クリエイティブ2007/6)*ジュブナイルのスタイルで書かれた数学の啓蒙書、最近の数学ブームへの導火線か、気に入ったのでコミック版も注文した。奇妙な軽さが心地よかった。
串田孫一、田中清光編『山の詩集』(筑摩書房1999/7)*この国の近代登山の教養主義的要素をまとめたアンソロジー、レジャー登山との落差が印象的。
上田三四二著『祝婚』(新潮社1989/1)*限りなく私小説に近い随筆風短編小説集。
小島政二郎著『小説葛飾北斎』(青樹社1990/11)*北斎の生涯を丹念にたどり物語化、軽い娯楽教養小説として楽しめる。時代考証の精度は不明。
◎ジャンポール・サルトル著『嘔吐』鈴木道彦訳(人文書院2010/7)*1950年代の白井浩司訳で何度か読み返していたもの、最近新訳が出たので早速入手。日本語の歯切れがいい。
山本義隆著『新・物理入門』(駿台文庫2004/6)*受験参考書の一冊だが無駄な言葉が一切ない明快で体系的な物理学の入門書、簡単には読み切れない重い内容の書。
◎村上重良著『世界の宗教―世界史・日本史の理解に―』(岩波ジュニア新書1980/3)*世界中の古今の宗教について幅広く解説してある宗教便覧の本。
◎小沢幹雄編木之下晃写真『対談と写真 小澤征爾』(新潮文庫1982/12)*豪華メンバーとの対談と手記、若い頃の写真などをまとめたファンなら見逃せない一冊。本の中に躍動する生き生きとした小澤征爾がいる。
小川洋子猫を抱いて象と泳ぐ』(文藝春秋2009/1)*レビューをUP。
結城浩著、日阪水柯作画『数学ガール(上)(下) 』(メディアファクトリー2008/11)*「数学ガール」のコミック版、ジュブナイル版のテキスト部分をビジュアル化してあるが、数式までビジュアル化出来なかったのは、残念。絵の色っぽさと数式との対比がシュールな味わい。
◎吉田一穂著『定本吉田一穂全集1』(小澤書店1979/5)*硬質な日本語の煌めきが美しい。紙面を飾る言葉の宝飾品のよう、続けて読むと凄く疲れる。