武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2007-01-01から1年間の記事一覧

 エジプト旅行⑨

この日がエジプト旅行の最終日、午前中にエジプト考古学博物館を見て、夕方には空路帰国の途に就く予定。 最後のハイライト、考古学博物館は展示物が多すぎて、見て歩くと疲れる。ツタンカーメンの部屋など、素晴らしい展示物の羅列。ギザ地区に新しい博物館…

 エジプト旅行⑧

アレキサンドリアは、アレクサンドロス大王が建設した町だが、紀元前からの地中海の国際都市として栄えてきた大都会。意外にちゃんとした形で残っている見るべき遺跡にとぼしい。図書館好きの私としては、紀元前に失われた世界最大の蔵書を誇った伝説のアレ…

 エジプト旅行⑦

再びこの日は早起きして、ルクソールからカイロへMS132便で国内線の早朝飛行、午前8時にカイロに到着、午前中にカイロ市内観光、といってもエジプト最大のイスラム教寺院、モハメッド・アリ・モスクを見学、この寺院は遺跡ではなくて現役の寺院。周辺に貧し…

 エジプト旅行⑥

神殿観光に飽きが来ていたので、この日からの「王家の谷」の墓場観光はいい気分転換になった。ナイル川をはさんで昨日は東岸の神殿観光だったが、今日は西岸の王様たちの墓地めぐり。バスを降りて、王家の谷に入ると、草1本生えていない地肌むき出しの荒涼と…

 エジプト旅行⑤

食事のせいで胃腸の具合が悪くなる人がよく出るという話を気にして、火を通してないものは食べないように気をつけてきたせいか、すこぶる体調良好。我慢できなくなってきたので、少しずつサラダのような生野菜にも恐る恐る手を出し始めたが、今のところ大丈…

 エジプト旅行④

この日も早朝5時にモーニングコールしてもらい、アブシンベル神殿に射す朝日を見にゆく。日の出前にホテルを出て神殿前に歩いてゆく時、寒さに震えた。昼過ぎには20度近くにまで上がる気温が、早朝はコートを羽織っていても震えるほどに低い。高低差の激しい…

 エジプト旅行③

深夜の1時に起床、カイロのホテルを2時に出て空港へ、国内線で1時間半の夜間飛行でアスワン着が5時半、アスワンの空港からバスで移動して日の出の時刻にアスワン・ハイ・ダムを観光、全長3.6kmの巨大ダムの上はたっぷり二車線ほどもある車道が通り、途中…

 エジプト旅行②

エジプト旅行の初日が、今回の旅行のハイライト、ピラミッドはカイロ市内のギザ地区に集中している。少なくとも観光名所となっている三大ピラミッドは、ギザ地区の狭い範囲の砂漠に密集して存在する。観光バスの車窓から、街並みの上に角錐のてっぺんが見え…

 エジプト旅行①

子どもの頃からエジプトのピラミッドとスフィンクスは、何とかして自分の目で実物を見てみたいと思ってきた。やっと念願かない今回、何とか都合をつけて、エジプトツアーに参加することになった。12月17日午後成田を発ち、約15時間の飛行時間をかけてMS965エ…

 『善き人のためのソナタ』 (2006年ドイツ映画) 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルリッヒ・トゥクール、トーマス・ティーメ

12月5日WOWOW放送の『善き人のためのソナタ』という映画をテレビで見た。主演ウルリッヒ・ミューエの押さえた渋い演技、巧妙に組み立てられた見事な脚本、美しい画像、沁みいるような音楽、久々に見た大人をほろりとさせる素晴らしい映画だった。 主演のウル…

 川上澄生全集を愉しむ 中央公論社(発行昭和54年)

11月14日(水)の21:00からのBSiの番組「 ハイビジョンのひととき 私の美術館 - 風となりたや・川上澄生美術館」を見て、急に川上澄生の版画詩を思い出した。奇妙に印象の強い様式化された版画と、素朴な味わいのある詩文。小春日和の陽だまりで、背…

 カラマツ樹林帯の紅葉

この時期、標高1000mあたりに生えている カラマツの森が一斉に紅葉する。 12月になると、紅葉したカラマツの針葉が地上に降って ふかふかした落ち葉の絨毯となる。 その頃の出来立てのカラマツの絨毯の歩き心地は素晴らしい。 裸足になって駆け回りたく…

 塩原温泉郷へ紅葉狩りに

時間が空いたので、栃木の山奥の塩原温泉郷に、紅葉狩りを兼ねて行ってきた。紅葉は高原に行くと最盛期を過ぎており、徐々に山裾を平地に向かって紅葉の波が山を下っているところ。1000mを過ぎると風景は冬景色。幸いインディアンサマー(小春日和)の…

『臆病者のための株入門』 橘玲著 (文春新書)

なるほどとわが身を顧みて、うなずくしかない名言に接したので、紹介したい。「リタイアすれば、人はだれでもひとりの投資家として生きていくほかない」。この真実は、定年退職してみないと実感としては分らないかもしれない。働いて収入を得るという、生き…

 『ゼロからわかる個人投資』真壁昭夫著(講談社現代新書)

定年退職して、自由になった時間を活用、生まれて初めてお金の運用方法について、少し勉強してみようという気になり、何冊か投資に関する本を読み始めた。これまで全く縁のなかった世界なので何を読んでも難しく、もどかしく、わからないことが多い。言葉の…

 遅れてやってきた武蔵野の秋

各地から秋の訪れが遅れているという便りが届く。ここ武蔵野でも今年の秋は遅れているという実感がある。いつまでも、残暑が続いて寝苦しい夜が9月の半ばまで。早朝か、日が陰ってからでないと、散歩に出ても汗びっしょりという始末。 ところが10月上旬を…

 奥日光の紅葉

今年最後のキャンプになるかもしれないと、通いなれた奥日光のキャンプ場に行っていた。朝晩の気温が10度近くに下がり、一段と空気が透き通り、爽やかで気持ちよかった。各地からの紅葉情報で、紅葉が遅れているのは知っていたが、奥日光も紅葉が始まりか…

 『スーパールーキー』ポール・ロスワイラー著 二宮馨訳(集英社文庫)

以前に同じ著者の「赤毛のサウスポー」という野球小説を読んで、楽しい思いをしたことがあるので、bookoffの105円コーナーで見つけ読んでみた。メジャーリーグを舞台にした成長小説ではないかと予想して読みはじめたが、青年のサクセスストーリーになって…

 『嫌老社会−老いを拒絶する時代』長沼行太郎著(ソフトバンク新書)

老人問題関連の書物を読み飽きて、しばらく遠ざかっていたが、たまたま気軽に手に取った1冊が面白かったので、取り上げてみることした。短時間で読める薄い新書ながら、内容が充実していて、興味を引く問題提起があり参考になった。 今年度から、団塊の世代…

 避暑を兼ねて野反湖キャンプ

28日から厳しい残暑を避けて、群馬県の県北の山奥、野反湖にキャンプに行ってきた。ネットで多くの方々が、とても気持ちのいいキャンプ場と推薦されていたのと、キャンプサイトにクルマの乗り入れが出来ず、駐車場からリヤカーで荷物を運ぶと聞いて、標高…

 残暑を避けて高原キャンプ

今年は9月半ばを過ぎても残暑があまりにも厳しいので、テントを積んで高原の湖畔のキャンプ場に2泊避難してきた。標高1500m近い湖の畔は、さすがに涼しくて朝晩は、フリースのジャケットを着るほどに涼しかった。退職者は時間が自由になるので、天気…

 『日本詞華集』 西郷信綱・廣末保・安藤次男編(発行未来社)

古代から近代までのこの国の詩作品を選び、1冊にまとめたアンソロジーとして、身近なところに置いておきたい本として、この本を凌ぐ本はまだ出ていないと思うので、お勧めしたい。私が持っているのは1958年発行のものだが、当時としては大変に立派な装…

 自治体が率先して生み出す影の雇用難民

今日の朝日新聞は、社会面の3面を大きく割いて、「あしたを考える」で非正規公務員の問題を取り上げた。自治体の深刻な財政難を背景に、雇用形態が不安定で低賃金の非正規公務員が増加を続け、今や何と40万人、公務員の4人に1人が非正規の職員が占めて…

 『無限アセンブラ』 ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン著 内田昌之訳 (ハヤカワ文庫)

なじみのない画期的なテクノロジーを具体的にイメージするのに、近未来を舞台にしたSF小説が、楽しい手助けをしてくれる。作者の奔放な想像力の中で、夢のテクノロジーが、生活の一部として使われている場面などを読むと、近未来を望遠鏡で覗き込んでみてい…

 『ブロークン・トレイル 遥かなる旅路』 ウォルター・ヒル監督(WAWAWまたはDVD)

壮大なウエスタン・ロードムービー、と言う宣伝文句に引かれて、チャンネルを合わせたら、余りにも素晴らしい北米の山野の自然描写に引かれて約3時間、たっぷりとした情感豊かな汗臭いドラマですっかり楽しませてもらった。 オレゴン州からワイオミング州ま…

 パリ美術館巡り印象記

先週、1週間ほど、あるツアーに参加して、パリへ美術館巡りに行ってきた。自由になる時間があり訪問できた美術館の数は多くはないが、積年の夢をかなえる旅だっただけに、少なからぬ印象を刻む旅となった。記憶に留める一助に印象を書きとめておく。 まず、…

 西村寿行の死去を悼む

新聞を読んでいたら、作家の西村寿行さんが死去された旨の訃報を目にした。何度か豊かな物語性にひかれて夢中になって愛読した時期があった。動物がからむ話に、魅力的なものが多かった。よほどの動物好きだった人のようで、動物を軸にした短編に印象深い作…

 『GOAL!①』DVDまたはWAWAW8月配信

国際サッカー連盟が製作を公認した映画、と聞いただけで、見たい気にならず、ずっと見送ってきた映画だった。それが、昨晩、ふとした気まぐれからWAWAWの配信を見始めたら、引き込まれてついに最後まで見てしまった。2005年公開の古い映画だが、3部作の…

 武蔵野の酷暑に帰還

数日間、奥日光のキャンプ場に避暑をしていたので、武蔵野の残暑の厳しさに、へきへきしている。あいにく、買って間もないエアコンが不調で、古い扇風機を取り出し、なんとか暑さをしのいでいる次第。中禅寺湖の湖畔には、朝晩は肌寒いくらいの秋の気配がた…

「ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実」アシュリー・カーン著 河島文丸訳(発行音楽の友社)

この7月で、ジョン・コルトレーンが亡くなってからちょうど40年になる。60年代に青春時代を過ごしたものにとって、ビートルズと同じように、モダンジャズもまた、生きている証のような意味合いを持つ音楽だった。演奏はもとより活字の中に6文字のカタ…