武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 二十四節季の大寒を過ぎて(画像は以前にトルコでみつけた石のレリーフの鳥)

今年の小寒は1月5日(木)で大寒は1月20日(金)。この小寒から大寒までの15日間が一年中で一番寒さが厳しい時期だとされている。確かにこの時期、早朝の散歩をしていると、手袋の先がジンと痺れて武蔵野の寒さを体感する日々が続いた。 この後、2月…

 『山谷崖っぷち日記』大山史朗著(角川文庫)

格差社会をテーマにした本が多数出版されており、一種の下流化することへの恐怖感が、日常性の衣装をまとったオカルト物のように、人々の関心を呼んでいるようだが、下流に落ちて下層社会に暮らすことの不思議な落ち着きと気楽さを、実践したものにしか描け…

 『糖尿列島「10人に1人の病」の黙示録』鴨志田恵一著(角川文庫)

私の周りで糖尿病を患っているという話を最近耳にするケースが増えてきた。ここ10年ほどの間に糖尿病が原因の一つと思われる死亡者もいる。雑談の折に糖尿病が話題になると話が盛り上がり、間接的に知り合いの知り合いともなると患者数はどんどん増える。…

 『岡崎大五の海外旅行添乗員シリーズ』岡崎大五著(角川文庫)

何気なく手に取った本が大当たりで面白かったりするとスゴク得した気分になる。本書は、正月明けの休みの日、空いた時間をうっちゃるべくbookoffをぶらついていて100円コーナーでダメモトのつもりで買ったもの。確率は高くないが、旅行にまつわる本の中に…

 『壊れる日本人 ケータイ・ネット依存症への告別』柳田邦男著(発行新潮社)

暮れに携帯電話の機種を変更して、感じたことがあったので<ケータイ・ネット依存症>がキーワードになっているらしい本書を手に取ってみた。柳田邦男さんの本格的なノンフィクションにはこれまで教えられることが多かったので、本書でケータイについてどん…

 『ルー・ガルー 忌避すべき狼』 京極夏彦著(発行徳間書店)

若い人たちに人気の稀代のストーリテラー京極夏彦が書いた、舞台を近未来に設定したSFミステリーということなので、頑張って読んでみた。750ページを超える分厚い本のせいか、2冊分の本を読んだような読み応えがあった。そして、たっぷりと楽しませて…

 フィルムカメラからのニコンの撤退に思うこと(画像はキャノンのデジタル一眼レフで写した石垣島の不思議な花?)

今朝の朝日新聞の一面に出ていた「フィルムカメラ・ニコン撤退へ」の記事には驚いた。フィルムカメラから事実上ニコンは撤退し、一眼レフの8機種のうち6機種の生産を順次終了、残る2機種も開発をやめるという。F6とFM10のみ生産を継続し、他の機種は生…

 統計から見たこの国の自殺について(画像は世界の自殺率マップ)

この国の自殺について、98年以降ずっと3万人を越え交通事故死者数の2倍以上の驚くべき記録を更新している。このてのニュースを時折見聞きして心を痛めてきた。先日、ふと調べてみたところ、社会統計の素晴らしいサイト「社会実情データ図録」をみつけ深…

 『ゲルギエフ指揮・マリンスキー歌劇場管弦楽団・ワーグナー指輪演奏会』印象記

本当なら1月11日から東京文化会館で始まる「ゲルギエフ&マリンスキー・オペラ2006《ニーベルングの指環》」の4日間のリングチクルスに行きたかったが諸般の事情により断念、所沢ミューズ・アークホールのハイライト演奏会に行ってきた。前回、モー…

 『死とどう向き合うか』アルフォンソ・デーケン著(NHKライブラリー)

本書の表紙のコピーに「生と死を深く見つめてデーケン「死生学」の集大成」とあるが、全くそのものずばり、死を対象とする学問的な話題から医学的なアプローチを除いたほぼ総てが、簡潔に分かりやすく書かれていて「死生学」入門書としてこれ以上ないと思わ…

 『よりよく生きるための教訓』松本信愛

悲嘆ケアについて調べていて、英知大学教授の松本信愛さんのサイトにたどり着いた。その中に、ほぼその通りだと思われる教訓集が掲載されていたので、そっくり引用する。長い人生を経てくると、突然の別離や不条理としか言いようがない不幸に見舞われること…

 「縦並び社会・格差の現場から」シリーズ

暮れから連載が始まった毎日新聞の「縦並び社会・格差の現場から」シリーズが興味深い。二極分解がすすむこの国の底辺に重点をおいた取材なので、胸の痛むような話が多いが、見ないふりをしても始まらないので是非訪問されることをお薦めする。 http://www.m…

 『ニセ科学に科学のメス』1月5日(朝日夕刊)(画像は石垣島でみつけた合歓によく似た花オオベニコウガン、記事とは全く無関係)

日本物理学会が3月に松山市で開く学会で、<ニセ科学>についてシンポジュームを開いて、どう対応すべきか検討すると言う。これまでは相手にしない姿勢でやってきたが、社会的な影響が無視できないとして問題にする方向に方針を転換するという。学会最終日…

 「縦並び社会・格差の現場から」「「無保険者」30万世帯以上」(毎日新聞)

まず<資格証明書>という言葉は、私にとって耳慣れない言葉、意味は 国民健康保険被保険者資格証明書の略。原則として、納付能力があるのに国保料を1年以上滞納した被保険者に、保険証の返還又は期限切れと同時に区市町村が交付する。被保険者としての「資…

 『プログラムとしての老い』日高敏隆著(発行講談社)

「動物行動学の第一人者が解き明かす「老い」の正体」という帯のキャッチフレーズにひかれて、この本を手にした。軽くすいすい読めて面白かった。何度かナルホドと感心させられたり納得させられるところがあり読んでよかったと思った。内容は、老いの解明と…

 『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー』アレン・カー著,坂本章子訳(ムックセレクト)

アマゾンで禁煙本を検索するといつもトップに出てくるのと、可なりの確率で禁煙に成功するらしいと言う評判から、久しぶりに禁煙本を手に取った。私もかつては一日二箱以上もハイライトというタバコを吸っていたチェインスモーカーだった。禁煙して15年以…

 就学援助を受ける児童の増加について(画像は暮れに竹富島でみた見事な木彫、本文と関係ありません。)

今朝の朝日新聞の1面のトップ記事をみて、新しい年の初めにも関わらず、暗い気持ちになってしまった。事件や事故は、どんなに悲惨なものであれ一過的、当事者を含む周辺の関係者が総力を挙げて取り組み修復してゆけば何とかなること、今朝の記事は、じわり…

 新しい携帯と取扱説明書のこと

昨年暮れにかれこれ6年以上使ってきた携帯のバッテリーの寿命が極端に短くなったので、そろそろ潮時かなと思い、買い換えることにした。沢山の機種が出ていて目移りして選択が難しそうだと思っていたが、案外簡単に機種も決まり、携帯が新しくなった。使用…

 『マイルスを聞け!』中山康樹著(双葉社文庫)

年の初めの推薦図書1号を何にするか迷ったが、これに決めた。モダンジャズの帝王とまで言われたジャズトランペッター、マイルス・デイヴィスの全アルバムの解説本。ページ数が800ページを越える分厚い1冊、1枚1枚のアルバムにつけた、情熱的で詳細な…