武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 『まんだら屋の良太−九鬼谷温泉艶笑騒動譚第1巻〜第10巻』 畑中純 (発行実業之日本社マンサンコミックス1979/12〜1981/9)

つい最近までこの大河のような長編マンガの存在自体を知らなかった。SFやミステリィ、時代小説などの文芸ジャンルには、身近に親しんだり遠ざかったりする時期がある。同じようにマンガ作品に対してもある時期、距離を置くようになってしまった。マンガが…

 【メンブラン10CDセット】と言う面白いCDセールス

パーカーの10枚組セットが予想以上の良い買い物だったので、<メンブラン10CDセット>というビジネスが気になり調べてみた。ドイツのメンブラン・インターナショナルという企業の企画で、著作権が期限切れになった音源を集めて、10枚ボックスセットを世界的…

『ナウズ・ザ・タイム Membran jazz 10CDセット チャーリー・パーカー』

モダンジャズが好きだったが、そのモダンジャズの発火点となったビバップの中心人物パーカーの音源をほとんど聴いてこなかった。理由は、私がジャズを興味に持ち始めた遙か以前に故人となっており、残された音源がSPレコード由来の物がほとんどで、甲高い耳…

 『白いうた 青いうた』 新実徳英作曲 谷川雁作詞 指揮栗山文昭、前田美子、榊原哲 (発売ビクターエンタテインメント2002/11/21)

ここ何日か3枚のCDに納められた子ども向けの合唱曲を聴いて、その透き通った歌声に気持ちを癒され、今は亡き<革命詩人>谷川雁さんのことを偲んでいる。40年ほど前の私がまだ青年期の辺りで藻掻いていた頃、「詩がほろんだことを知らない人が多い」などと言…

 山手樹一郎のことがもっと知りたくて=関連図書三冊

ふとした切っ掛けがあって、山手樹一郎の時代小説を再び楽しむようになった。思い起こせば、戦後の一時期、貸本屋が繁盛していた頃、山手樹一郎物は貸本屋の必須アイテムだった。「貸本キング」などと呼ばれてもてはやされたこともあったらしい。 その作風を…

 『アバター』印象記 ジェームズ・キャメロン監督・脚本

3D映画として評判の昨年暮れの正月映画「アバター」を、遅ればせながらやっと見てきた。シニア料金になっても1500円と高かったが、DVDでは3D鑑賞は出来ないので、久しぶりの映画館行きとなった。3Dの映像効果はさすがで、その高度な技術と派手なCG造りにお…

 『IL DIVO "Papalin" --- パパリンの音楽の全て』のご紹介

ある合唱曲の音源をネット上で捜していて、素晴らしい音楽サイトを見つけたので紹介したい。あまりに膨大なコンテンツを収録しているので、全貌は不明だが、リコーダーと合唱をメインにした若い音楽家グループのサイトのよう、特徴は、サイトのトップページ…

 『つみきのいえ』 加藤久仁生監督・アニメーション 平田研也脚本 近藤研二音楽

短編アニメ映画、「つみきのいえ」を見た。僅か10分前後の短い時間枠のなかに、気の遠くなるような手作業を累積し物語の緻密な演出を詰め込んだ表現世界は、長編小説に対して短編小説があるように、<短編アニメーション映画>という確立された表現ジャンル…

 インドのレストランで爆弾テロ、出入国管理強化とインド旅行延期のこと

昨日、インド西部の都市プネでまた爆弾テロがあり、多数の死傷者が発生したとのニュースが流れた。プネは、ムンバイの南東約200km、インドでは最近ハイテク産業の誘致に国をあげて取り組んでいるマハラシュトラ州で二番目に大きな都市。 2008年11月にはムン…

 『ゴヤ全版画集』 ゴヤ作・谷口江里也編集 (発行講談社1984/08/10)

かねてからまとめて見たいと思っていたゴヤの全版画集を図書館の検索で見つけ、借りてきた。大型本で全ページ厚手のアート紙にオフセット印刷なので、重量も重いが内容はさらに重い。モノクロのエッチングで、これでもかと人間社会の歪んだ面や暗い面を形象…

 東伊豆の河津桜

8日から2泊3日の日程で、伊豆の温泉へ行ってきた。1日目と3日目は移動日にして、中1日は宿の近くの河津桜まつりに出かけたが、あいにくの二分咲き程度、駐車場の係りの叔父さんは申し訳なく思ったのか「さくら祭りは、始まったばかりなので、今日は下見と言…

 『奥の細道』 矢口高雄著 (発行嶋中書店アイランドコミックスPRIMO2004/9/28)(原版中央公論新社マンガ日本の古典25−1995/10)

今から20年ほど前、オートバイで一夏、芭蕉の奥の細道の行程をたどったことがある。隅田川の新大橋から岐阜の大垣まで、カーナビなどなかった時代なので、地図を確かめ道に迷い、苦労の多い思い出深いロングツーリングだった。その時もその後も、繰り返し「…

 『今日は死ぬのにもってこいの日だ』 ナンシー・ウッド著 フランク・ハウエル画 金関寿夫訳 (発行めるくまーる1995/9/20)

蔵書を整理していて、本の山の中から顔を出してきた一冊、今日のように見事に晴れ渡った透明度の高い青空を見上げていると、呟いて見たくなる名台詞「今日は死ぬのにもってこいの日だ」。原詩は、 Today is very good day to die. 日本語訳のあまりの見事さ…

 苦痛と快楽、蔵書の整理

降雪で外出が難しくなった一昨日から、室内に垂れ込める時間を有効に過ごすべく、少しずつ蔵書の整理に手を付けはじめた。興味ある読みたい本は、出来るだけ図書館を利用してすませることにしているが、近くの図書館になかったり、身近に置いておきたかった…