武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 苦痛と快楽、蔵書の整理


 降雪で外出が難しくなった一昨日から、室内に垂れ込める時間を有効に過ごすべく、少しずつ蔵書の整理に手を付けはじめた。興味ある読みたい本は、出来るだけ図書館を利用してすませることにしているが、近くの図書館になかったり、身近に置いておきたかったりつい気持ちがゆるんで衝動買いしてしまったりして、気がつくといつの間にか部屋中に蔵書が積み上がってしまう。
 整理をはじめると、どの本も好奇心が動かされた結果だけあって、しばらく見ないうちに忘れてしまっていた興味がまた目覚めたりして、書店や図書館を彷徨くのに似た楽しみがないではない。快い楽しみとなるので快楽と言えないこともない。
 だが、蔵書の整理とは、基本的に蔵書の数を減らすことが最終目的、処分する本を選び出さなければならない。優柔不断な性格にもよるだろうが、処分する本を選び出すのにはいつも苦痛が伴う。必要になったら再び捜せばいいのだが、手元からなくなってしまうのは何となく淋しい。しばらくは、処分しようか残そうかで気持ちの揺らぐ日々を過ごすことになりそうである。