武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 『お鍋にスカートはかせておいしさ大発見』 小林寛著 (カッパバックス)

魚塚仁之助さんの「清貧の食卓」に紹介されていた「はかせ鍋」と小林寛さんのこの本にすっかりお世話になっている。著者は大學の工学の先生らしく、日常的な常識に支配されがちな調理について、分かりやすく理屈っぽく、しかも科学的にアプローチするところ…

 『ルソーの見た夢、ルソーに見る夢』 世田谷美術館企画展の印象記

一度見ると忘れられなくなることが、ひとつの名画の物差しになるような気がする。最初に見たアンリ・ルソーの絵がどれだったかは忘れてしまったが、見たとたんにアッこれはルソーだなとすぐに分かる。そして、何度でも見たくなるのが私にとってのルソーの絵…

 退職者と秋とキャンプ旅行

(画像は、休暇村裏磐梯キャンプ場にセットした小さな我が家、広大なキャンプ場にたった二張だった) 先週と今週、福島県と栃木県へ、紅葉を楽しむ旅行に行ってきた。宿には泊まらず、宿泊の基本は原則としてキャンプ場でキャンプ、張ったテントをベースキャ…

 『アントニオ・マルケス舞踏団』公演 印象記

昨夜、所沢ミューズのマーキーホールで、アントニオ・マルケス舞踏団の公演を見た。スペイン国立バレイ団のトップから華麗にフラメンコダンサーに転進したというふれ込み通り、民族舞踏としてのフラメンコの型を取り入れながら、表現の幅はフラメンコをはる…

 簡単漬け物あるいは簡単常備菜による食卓合理化のすすめ

(画像は近所の農道の栗畑で実ってきた栗) 自由な時間がたっぷり出来ると有意義な気分転換が大切になってくる。私の場合、①自宅周辺地域への散歩、②食材の買出しと調理、③僅かばかりの蔵書の整理。こんなことが単調に流れがちな退職者の日々の暮らしに、リ…

 『人生の特別な一瞬』 長田弘著(晶文社発行)

長田弘は、<大人の詩人>である。詩は青春の文学と言われるように、多くの詩人は10代〜30代までの青年期に多くの作品をなして、それ以降は散文家になるか、沈黙しないまでも寡作な表現者となる。長田弘には、20代から30代にかけての詩集が4冊しか…

 『田村隆一詩集』 田村隆一著 

http://mansonge.hp.infoseek.co.jp/trp/ かつて<戦後詩>と呼ばれた現代詩のカテゴリーがあった。若い頃、世界の感じ方、拒絶の仕方などを、鋭敏な言葉を通して教えられた。日本語がこんなにも鋭く、栄光に暗く燦然と輝くこともあることを学んだ。そんな<…

 『御鑓拝借−酔いどれ小藤次留書』 佐伯泰英著(幻冬舎文庫)

最近の新聞広告でよく見かけるようになった時代小説作家<佐伯泰英>が気になっていた。沢山の時代小説をシリーズで、しかも雑誌連載でなく文庫書き下ろしで書いている作家なので、どれから読もうか迷ったが、何となく手に取ったのがこの「御鑓拝借−酔いどれ…