2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
例年楽しみにしている駐車場脇のソメイヨシノの古木がついに咲き出した。何年か前にばっさりと枝を切られて、見る影もなくなったこともあったが、ようやく桜の樹の形を取り戻して、豪華な満開の姿を見せられるようになってきた。 立派に成長したので散る花び…
たくさんある金子光晴の詩集の中で、一番好きな詩集がこの「若葉のうた」、光晴自身の老いの寂寥と、産まれたばかりの幼気な孫娘への愛隣が交錯して、束の間の生の輝きが見事に掬いあげられた珠玉のような名品である。世代や個を越えて続いてゆく命の連鎖が…
仲間と一緒にやっている雑木林の不法投棄ゴミ回収に行ってきた。業者のものと思われる家電製品や廃タイヤなど、あっという間に軽トラック一杯分のゴミが見つかった。3月から4月にかけて引っ越しの際に出たと思われる粗大ゴミが多くなるのだが。 ゴミ回収の後…
本の出版形態に<分冊百科>と呼ばれている出版スタイルがある。何十冊かで完結するシリーズ物だが、最初の何冊かの価格を抑えておいて買いやすくし、しかも最初だけは多額の宣伝費を投入、初期段階では赤字覚悟で部数を伸ばしておいて、後は初期販売部数の…
ルネサンス絵画の素晴らしさはどれだけ讃えても讃えすぎることはないが、同じようにヨーロッパアルプスを越えた北の方で展開した北方ルネサンス絵画も、イタリアルネサンスに負けず劣らず素晴らしい。この国では、北方ルネサンスへの関心はそれほど高くない…
ベランダと室内で大事に、やや過保護気味にしているアマリリスが、このところの暖かさに反応して、急に葉っぱをのばしてきた。歳時記をみると夏の季語になっているが、我が家ではいつも春に花をつける。葉の脇から花芽が見えているので、間もなくスックと茎…
新聞などで評判になっていたので見たいと思っていたのだが、機会に恵まれなくてそのまま忘れてしまっていた。ネットで遊んでいて、ふとしたきっかけでYouTubeで見られることが分かり、楽しく見させて貰った。印象に残ったことを記してみよう。 ①<8分間の永…
あまりにも有名なこの本のことを調べてみると、この国ではまだ全訳は出ていないということに気がついた。部分訳は何種類かでているが、抜けている部分が多いので、(Wikipedia)を参考に、本来の内容をおさらいしておこう。イタリア・ルネサンス期に輩出した…
*p1*[読書][詩の鑑賞] 『人はかつて樹だった』 長田弘著 (発行みすず書房2006/7/10) 1冊の詩集から、1行の気に入ったフレーズ、1篇の気に入った詩が見つけ出せれば、その詩集を手にした甲斐があると思う。勿論、たくさんの気に入った言葉が見つかれば、そ…
猪谷六合雄の主な著作は「雪に生きる」と「雪に生きた80年」だと思うが、この選集第4巻には「80年」に収録されなかったか、あるいはそれ以降に書かれたと思われる文章がいくつか掲載されている。猪谷の最晩年の文章と思えるので、取り上げてみよう。 「80年…
明治42年に生まれ1993年に84歳で亡くなった京都の詩人、天野忠の名品を紹介したい。発行部数の少ない詩集ばかりだったのでその詩集はなかなか入手しづらい。現在でもなんとか手に入るこの「天野忠詩集」から幾つか紹介しよう。 天野さんの詩は、言葉ではなか…
この本を読んだことが、猪谷六合雄を詳しく知りたくなるきっかけだった。何と面白い日本人がいたものだと、感心し驚いた。著者の整理の仕方が上手くて、猪谷の人間的に優れていたところを、巧みに掬い上げて、分かりやすく教えてくれる傑作評伝だ。 以前に、…
この本は、戦前1943年発行の名著「雪に生きる」の戦後版とでも言うべき続編、幼い頃の生い立ちの記を含め、戦中戦後の混乱期の回想から始まり、30年間近い戦後の猪谷の文章を、ほぼ書かれた順にまとめた猪谷六合雄作品集となっている。「雪に生きる」は、194…
我が家の調理には、圧力鍋が欠かせない。現在は20年以上使っている韓国製のものと、最近入手した中国製のものと、2台が太活躍している。良いところは調理時間の短縮と、柔らかく仕上がるところ。煮ることと蒸すことに関しては普通の鍋はかなわない。 先日、…
95年に出版された「カルロ・クリヴェッリ画集 (ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ)」に続く、この国で発行されたカルロ・クリヴェッリ関連の2冊目の本が本書。クリヴェッリというイタリア・ルネサンスの初期を飾る祭壇画の鬼才が、次第に多くの人に注目さ…