武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 春の気配が満ちてきた武蔵野の雑木林

 仲間と一緒にやっている雑木林の不法投棄ゴミ回収に行ってきた。業者のものと思われる家電製品や廃タイヤなど、あっという間に軽トラック一杯分のゴミが見つかった。3月から4月にかけて引っ越しの際に出たと思われる粗大ゴミが多くなるのだが。
 ゴミ回収の後、農家から委託されている雑木林の手入れと落ち葉掃きをして、焚き火で蕎麦団子入り豚汁を作って、昼食にした。今日は10人を越える参加者があり、賑やかな昼食の歓談となった。
 風もなく気温が高くなったので、作業をすると汗ばむ程の陽気になった。雑木林の地面を見ると、シュンランが愛らしい花をつけていた。少し木陰になっている林にも着実に春が来ているということの徴だ。
 歳時記からシュンランの句を引いてみよう。


春蘭の風をいといてひらきけり  安住 敦

 日当たりのいい方の雑木林では、クサボケが鮮やかな色の花を開いていた。地面すれすれに低いところで咲くので、草みたいだがよく見ると木になっている。<草木瓜>漢字を当てはめても、声に出して詠んでもあまり冴えない名前だが、花は悪くない。雑木林に自然のままに咲く花は、派手さはないが清楚な感じがしてなかなか愛らしいものが多い。心ない人に盗掘などされないで、そのままひっそりと咲いていてほしいものである。