武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 『アリになったカメラマン/昆虫写真家・栗林慧』 写真・文/栗林慧 (発行講談社2002/2/27)

昆虫写真家の一人、栗林慧さんが撮る昆虫写真は、一言で言えば<あり得ない写真>である。少しでもレンズの性能について知識のある人なら、栗林さんの写真を見たとたん目を瞠り次に首をかしげるに違いない、どうやってこんな写真が撮れたのだろうと。 この本…

 武蔵野でも梅の開花

先日、天気予報をTVで見ていたら、都内で梅の開花が観測されたと言っていた。近所でも、梅が咲き始めたという話を小耳にはさんだので、今日は、航空公園の梅園の様子を見に行ってきた。 案の定、いつも一番気が早い紅梅の木が、いっぱいに花を開いていた。…

 冬の日溜まり、自然の温室効果

冬晴れの雲一つない青空に誘われて、近所に散策に出かけた。しばらく歩いても北風が冷たくてなかなか身体が温まってこない。日当たりの良い窪地で風をやり過ごそうと向きを変えたら、足下に雑草が小さな花を付けていることに気がついた。 首を縮めるようにし…

 『西日本新聞の力作シリーズ「千年書房 九州の100冊」』のお勧め

2006年から2年3ヶ月連載された推薦図書シリーズ、九州ゆかりの作家や作品からベスト100点を選び、次世代への熱いメーセージと共に語り伝えようとする好企画、九州人でなくとも十分に引きつける魅力的なシリーズ、とっくに完結してしまっているのだが有り難い…

 インドの情報源お勧めベストスリー=インドを象徴する(?)分厚くて重くて嵩張る3冊

昨年暮れのインド旅行に際して、旅行前と旅行の後に、もっとインドのことを知りたくて、図書館に行ったり書店をふらついたりネットを検索したりして、インド関連書籍に多数当たってきた。その結果、以下にご紹介する3冊が、インド情報のベストスリーとしてお…

 『インドの衝撃、続・インドの衝撃』 NHKスペシャル取材班 (発行文藝春秋2007/10、2009/01)

NHKスペシャル「インドの衝撃」シリーズには、よほどの反響があったのだろう。最初のシリーズが放映されたその年に、早くも文春から書籍シリーズの第1作が発行されている。これまでもシルクロードをはじめ多くの番組で繰り返されてきた映像→書籍へと展開する…

 雑木林の珍事

一昨日、近くの雑木林の落ち葉掃きの作業中、奇妙な物を見つけた。 はじめは、キノコの傘から発芽したのかと思ったが、よく見ると地面で発芽した苗木が、キノコの傘を突き抜けて成長したものだということが分かった。 キノコも苗木も簡単に位置を譲り合うと…

 便利な動画検索サイト「Googleビデオ日本版」のご紹介

初公開が2009年1月、今からちょうど1年も前のことなので、今さら何を寝ぼけたことを言っているのかと、バカにされても仕方がないが、ネット上の動画にあまり関心がなかったから仕方がなかったと、とりあえず言い訳だけはしておこう。 さて、1年前に公開され…

 NHKスペシャル・インドの衝撃

昨年暮れに念願のインド旅行を実行に踏み切らせた切っ掛けの一つは、このNHKの特集番組「インドの衝撃」だった。いつかは行きたいとは思っていたが、幾多の尻込みするような情報に腰が引けて、延び延びになっていたものを、やっぱり行ってみたいという気持ち…

 『インドでわしも考えた』 椎名誠著 (集英社文庫1988/1/25)

インド旅行から帰って3週間ばかりたったが、インドへの興味関心はまだ尾を引いている。図書館にゆけばインド本の書架に目が行き、書店に行けばインド本のコーナーの前にふらふらと吸い寄せられる。それが楽しい。 今回紹介する椎名誠さんの旅行記も、インド…

 冬晴れの武蔵野とロウバイ

寒さがひときわ厳しくなるこの時期、季節風の影響で関東地方、武蔵野の辺りは冬晴れの日々が続く。列島中央部の山脈で、日本海の水分を雪にして落としてきた風は乾いていて、乾期とでも呼びたくなるほど湿度が低い。日差しのある間は、風がなければけっこう…

 サイト紹介「翻訳作品集成」

果てしない翻訳本の大海で、情報不足ゆえに溺れそうになった時、このサイトにしがみついて、何度救われたか数え切れない。徹底したデータ重視の姿勢は、スッキリしていて清々しい。所々、管理人の思い入れや寸評も記入されており、思わずニヤリとなることも…

 「人生処方詩集」 エーリッヒ・ケストナー著 小松太郎訳 (発行角川文庫1966/4/30)

今はなき寺山修司は、この詩集のコンセプトが気に入り、自分でも同名のアンソロジーを編んで新書を作ったりしていた。読んでみるとケストナーのこの詩集は、題名となっている編集方針もさることながら、個々の詩編が大変に素晴らしく、私は長年愛読し、手放…

 妹尾河童さんの<河童が覗いたシリーズ>再読

河童が覗いたシリーズのインド編を再読したら、思いの外楽しかったので、近くの図書館からさっそくヨーロッパ編とニッポン編を借りてきた。調べてみたらヨーロッパ編の初版が77年12月に話の特集編集室からでていた。ニッポン編も同じ話の特集から80年7月に最…

 『河童が覗いたインド』 妹尾河童著 (発行新潮社1985/4/5)

インドについて書かれた本の中から5冊を選ぶとすれば、ほとんどの人がこの河童さんの本を選ぶのではなかろうか。少なくとも私ならそうする。また、この本は傑作が多い妹尾河童さんのイラスト入りの著書のなかでも、とりわけ素晴らしい最高傑作になるのではな…