武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2012-01-01から1年間の記事一覧

 12月第4週に手にした本(24〜30)

*単なる通過点と分かっていても、年の終わりには感慨がわく。今年も読みたい本が限りなく現れてきて、頑張ってはみたけれど、その半分も読みきれずに一年が経ってしまった。面白かった本も多いが、途中で頁を閉じたものも少なくない。暮れになって、キンド…

 12月第3週に手にした本(17〜23)

*寒さが厳しくなってきたので早朝の散歩はあきらめて、昼食後の比較的気温が高めの午後に歩くようにしている。武蔵野の落葉樹はすでにほとんどが丸裸、天気が良ければ林床にまで日光が届いて、雑木林は一年中で一番明るい。積もっている落ち葉を踏んで歩く…

 12月第2週に手にした本(10〜16)

*予約してあったキンドルの端末が週末に届いたので、さっそく弄り始めた。電子書籍端末の本命視されていた商品だけに、所々不満はあるが割りと良くできている。これまでは電子書籍はPCで読んできたので、これからの読書がどう変わるかそれとも変わらないか…

 12月第1週に手にした本(3〜9)

*もう12月か、というのが正直な感慨。一年の時の経過の早いこと、まさに光陰矢の如し。可能な限りやりたくないことから身をかわし、やってみたかったことの中の、今できそうなことから手を付けるようにしている。こういう日々を過ごしていると、乗り物の窓…

 11月第5週に手にした本(26〜2)

*3日晴れて4日天気が崩れる晩秋のサイクルが冬を引き寄せてゆく。冬型の気圧配置になると、関東平野は雲ひとつない冬晴れとなり、日本海側には曇りや雪のマークが出る。幼い頃の、日本海側の曇りがちな冬の日々を思い出した。子供の頃、毎年のように長靴を…

 11月第4週に手にした本(19〜25)

*武蔵野の平地の紅葉が、今年はひときわ美しい。毎日の散歩でも、一日一日紅葉の進展が鮮やかで、今日はどんな様子かなと、新鮮な気分が味わえる。同じ種類でも育っている場所によって違いがあり、色も違えば進み具合も違う。もう冬木のように骨組みだけに…

 11月第3週に手にした本(12〜18)

*冷え込みがきつい朝、武蔵野の開けた場所には初霜が降りた。とうとう木枯らし1号も吹いた。今年の秋は短かった。アッという間に、秋晴れが冬晴れに入れ替わってしまった。寒さに弱い畑の一年草は、もうこれ以上緑を維持できなくて、葉先からみるみる枯れ色…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(4)

機会がなくてなかなか入手すること かなわなかった創元社の柴田天馬著『聊斎志異研究』をようやく手にすることができた。古書として可成りの価格がついているので、その内容を少し詳しく紹介しておきたい。 まず印象的なのは、12ページにわたる「聊斎志異全…

 11月第2週に手にした本(05〜11)

*朝晩の冷え込みがきつくなり、武蔵野は平地の紅葉もすすみ、体感的には冬に近くなってきた。地域社会では文化的な行事が毎週のように催され、賑やかな交流の輪があちこちに広がっていて、とても忙しい。文化的にも今が収穫期なのだ。実りの秋も後半に差し…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(3)

興味のある人について調べていると、どうしてもその人の肖像が見たくてたまらなくなる。柴田天馬さんは、どんな顔つきの人だったのか。服装や、声の調子まで気になってくる。大佛次郎氏の随筆によると、「やせた瀟洒とした好紳士であった。身だしなみよい地…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(2)

1945年8月、長かった15年戦争(1931〜1945)が終わり、焼け跡にやっと平和が訪れた。中国との戦争を、日中戦争<8年間の戦争>(1937〜1945)と捉える考え方もあるが、そうなると、第一書房版完訳聊斎志異第1巻が33年に発禁処分になった背景がぼやけてしまい…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(1)

今年の5月に出たちくま学芸文庫の1冊、柴田天馬訳の「和訳聊斎志異」を読んでいたら、聊斎志異を初めて手にした中学生の頃を思い出して、好奇心が目覚めた。南條竹則氏によるこの文庫の解説には、大変に力がこもっており、「ちくま」6月号の東雅夫氏の推薦文…

 11月第1週に手にした本(29〜04)

*11月の声を聞くと、気圧配置が冬型になる日が出現したりしてみるみる寒くなりだした。武蔵野も11月は冬と心得て、住まいも身なりも調えた方がいい。今週はちょっと体調を崩してしまった。平地でも、気の早い木々は紅葉が進み、落ち葉になって降ってくる。…

 桂川潤作『MARGINALSCAPE』(電子版写真集)

ファイル転送サービスを使用した電子版写真集の可能性 先日、本の装丁をしている知人から、PDF版の電子写真集がメールを介して送られてきた。写真集のデータが重いので、メールの内容はメッセージだけ、写真集のファイルは添付ではなく、ファイル転送サービ…

 10月第4週に手にした本(22〜28)

*爽やかな秋晴れの好天が続いているので、腰を落ち着けて本を読んでいられない。仲間とのイベントの準備など、気ぜわしい日々をなんとかやりくりしている。古雑誌読みの愉しみに嵌りつつあるが、安く手に入るのはいいが嵩張るのが悩みのタネ、溢れ出る蔵書…

 10月第3週に手にした本(15〜21)

*今月も後半になって爽やかないい天気が続いている。室内にいて古本など読んでいると、勿体無いようなピント外れなような気がしないでもない。必要あって数回の長距離ドライブにでかけた。標高の高い山の方へゆくと、落葉樹の先の方で早くも紅葉が始まって…

 10月第2週に手にした本(8〜14)

*急に朝晩がひんやりして来た。慌てて掛け布団を温かいものに変えたり、長袖のシャツを出したり、夏から秋に衣替え。少し好奇心が動き出したので、図書館へのネット予約が増えてきた。図書館職員の方には申し訳ないが、図書のネット予約というサービスは素…

 10月第1週に手にした本(1〜7)

*一年の内で暑くもなく寒くもなく、快適に過ごせるのはこの10月と5月だけ。9月は暑いし11月になるともう寒くなる。気候が過ごしやすくなるに合わせて、仲間内のイベントも増える。多忙な月になりそうな気がしてきた。 ◎白井喬二著『富士に立つ影(決定版)…

 9月第4週に手にした本(24〜30)

*長かった残暑がようやく終わって、秋の雨がザッと降り、一雨毎に地面の熱が冷めてゆく。今週で9月が終わり、一年で一番過ごしやすい10月がくる。熱だれを起こしていた持ち前の好奇心がやっと動き出すかもしれない。地球温暖化のせいか、夏が耐え難い年が増…

 9月第3週に手にした本(17〜23)

*やっと季節の変わり目が来たようだ。日中の暑さに勢いがなくなり、雨雲が度々空を横切るようになった。季節は変わりはじめると速い。夕方から秋の虫も鳴き出した。今週、ネコのわめき声が聞こえた、年に2回の恋の季節が訪れているのかもしれない。秋の先触…

 朝のワンプレート(38)

《黒澤監督の食卓》 黒澤明監督亡くなる前日の夕食を再現した画像をみて吃驚した、翌日にこの世を去る人の食事とはとても思えなかった。栄養がどうのこうのと言う次元を超越している。映画監督のなかでもとりわけ伝説的奇行が多く、つとに健啖家で知られた黒…

 9月第2週に手にした本(10〜16)

*局地的に短時間 僅かのお湿りが降っても湿度が上がるばかりで 残暑は居座ったように続いていて堪らない。8月なら我慢も出来るが 9月中旬になって真夏日が続くと我慢の限度を超えてしまう。思い切って友人のセカンドハウスを訪問したら、さすが田舎の朝晩…

 朝のワンプレート(37)

《献立の変化》 食事を作るようになって、一番強い影響を受けた本はどれか考えていたら10年以上前に読んで感心した女優沢村貞子さんの「わたしの献立日記」に思い当たった。発売当時は洒落た単行本だったが、今は文庫で簡単に手に入る。その献立日記の中で、…

 9月第1週に手にした本(3〜9)

*少し暑さが納まったかなと思うと、また厳しい残暑がぶり返す日々が続いている。仲間とやっている農園の野菜たちが水不足で相当に参っている、秋の収穫がどうなるか心配だ。ただでさえ持続するのが難しくなってきた集中力が暑さのためにずたずた、気ままな…

 8月第5週に手にした本(27〜2)

*日曜日に一雨あって、猛暑が一休みしたけれど、まだまだ残暑は続きそう。夕方になると、水不足を嫌う作物に水やりをしている農業者の姿をよく見かけるようになった。スプリンクラーの設備をもたない畑は大変、今週になって上水道にかかわる渇水対策がニュ…

 8月第4週に手にした本(20〜26)

*残暑とはいえ、余りにも長い猛暑、水不足に弱そうな野菜に水やりを続けている。老年にさしかかった人体も高温と水不足に弱そうなので、冷房と水の補給を普段以上に心がけている。早朝の散歩に出ると、さすがに雑木林を抜けてくる微風には涼感が含まれてい…

 8月第3週に手にした本(13〜19)

*八月も半ばを過ぎると、朝晩は若干風が涼しくなるが、日中はまだまだ猛暑が続いている。星野道夫を読んでいて、以前にアラスカを旅したことを思い出した。八月だったが、天候が崩れると、秋の気配が濃厚に立ちこめた。面白い本を読んでいても、あまりに暑…

 8月第2週に手にした本(6〜12)

*情けないことに書庫にあることを忘れて同じ本を買ったり、読んだことすら忘れて図書館に予約を入れたりするようになってきた。読んだり読みかけたりした本を備忘録としてメモ、週1で更新しています。(今週もたくさんの本を手にしたが全部読了できたわけ…

 亡き知人を偲ぶ惜別譜

亡くなった古い友人を偲ぶ集まりがあった。 老年期にさしかかった仲間が集まり 故人の思い出を肴に酒を酌み交わした。 ぼやけてきた記憶を手探りしながら 褐色に色あせた昔話を掘り起こした。 記憶の焦点が合わなくて忘却の淵で溺れかけ 配られた一編の詩を…

 8月第1週に手にした本(30〜5)

*情けないことに書庫にあることを忘れて同じ本を買ったり、読んだことすら忘れて図書館に予約を入れたりするようになってきた。読んだり読みかけたりした本を備忘録としてメモ、週1で更新しています。(今週もたくさんの本を手にしたが全部読了できたわけ…