武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

 11月第4週に手にした本(19〜25)

*武蔵野の平地の紅葉が、今年はひときわ美しい。毎日の散歩でも、一日一日紅葉の進展が鮮やかで、今日はどんな様子かなと、新鮮な気分が味わえる。同じ種類でも育っている場所によって違いがあり、色も違えば進み具合も違う。もう冬木のように骨組みだけに…

 11月第3週に手にした本(12〜18)

*冷え込みがきつい朝、武蔵野の開けた場所には初霜が降りた。とうとう木枯らし1号も吹いた。今年の秋は短かった。アッという間に、秋晴れが冬晴れに入れ替わってしまった。寒さに弱い畑の一年草は、もうこれ以上緑を維持できなくて、葉先からみるみる枯れ色…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(4)

機会がなくてなかなか入手すること かなわなかった創元社の柴田天馬著『聊斎志異研究』をようやく手にすることができた。古書として可成りの価格がついているので、その内容を少し詳しく紹介しておきたい。 まず印象的なのは、12ページにわたる「聊斎志異全…

 11月第2週に手にした本(05〜11)

*朝晩の冷え込みがきつくなり、武蔵野は平地の紅葉もすすみ、体感的には冬に近くなってきた。地域社会では文化的な行事が毎週のように催され、賑やかな交流の輪があちこちに広がっていて、とても忙しい。文化的にも今が収穫期なのだ。実りの秋も後半に差し…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(3)

興味のある人について調べていると、どうしてもその人の肖像が見たくてたまらなくなる。柴田天馬さんは、どんな顔つきの人だったのか。服装や、声の調子まで気になってくる。大佛次郎氏の随筆によると、「やせた瀟洒とした好紳士であった。身だしなみよい地…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(2)

1945年8月、長かった15年戦争(1931〜1945)が終わり、焼け跡にやっと平和が訪れた。中国との戦争を、日中戦争<8年間の戦争>(1937〜1945)と捉える考え方もあるが、そうなると、第一書房版完訳聊斎志異第1巻が33年に発禁処分になった背景がぼやけてしまい…

 柴田天馬訳の聊斎志異について(1)

今年の5月に出たちくま学芸文庫の1冊、柴田天馬訳の「和訳聊斎志異」を読んでいたら、聊斎志異を初めて手にした中学生の頃を思い出して、好奇心が目覚めた。南條竹則氏によるこの文庫の解説には、大変に力がこもっており、「ちくま」6月号の東雅夫氏の推薦文…

 11月第1週に手にした本(29〜04)

*11月の声を聞くと、気圧配置が冬型になる日が出現したりしてみるみる寒くなりだした。武蔵野も11月は冬と心得て、住まいも身なりも調えた方がいい。今週はちょっと体調を崩してしまった。平地でも、気の早い木々は紅葉が進み、落ち葉になって降ってくる。…

 桂川潤作『MARGINALSCAPE』(電子版写真集)

ファイル転送サービスを使用した電子版写真集の可能性 先日、本の装丁をしている知人から、PDF版の電子写真集がメールを介して送られてきた。写真集のデータが重いので、メールの内容はメッセージだけ、写真集のファイルは添付ではなく、ファイル転送サービ…