武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 あなたが選ぶ シルクロード絶景50 (NHKBSハイビジョン)

4月29日の午後7時から深夜12時までの5時間、この番組は多くの旅行好きをテレビの前に釘付けにしたに違いない。時々挿入されるアナウンサーとゲストのおしゃべりの間に、トイレに行ったりおやつを出してきたりしながら、感嘆符と嘆息をもらしながら、居ながら…

 『弟の戦争』 ロバート・ウェストール著 原田勝訳 (発行徳間書店)

小学校中・高学年向けの児童書ながら、豊かな寓意に富み大人が読んでも十分に楽しめると言うか、いろいろと考えさせられる素晴らしい一冊を紹介したい。出来のいい作品によくあるようにこの物語は奥が深く、考えようによってはいろいろな読み方が可能なよう…

 『石原芳郎「昭和」の旅』 多田茂治著(発行作品社)

今は亡き石原吉郎という詩人をご存じだろうか。かつて私が20代だったころ、苦渋に満ちたその鮮烈な詩表現に心酔し、70年代半ばあたりから何となく関心を失い、77年の晩秋に新聞で訃報を目にしたが、それっきりになっていた。そんな思い出深い戦後詩人。 今回…

 簡単で美味しい味噌汁の作り方

リタイアして2年間、3度の食事を作り続けてきて気がついたこと。パン食のことは分からないがご飯食なら、朝食を充実させるのはやっぱり美味しい味噌汁と卵料理の一品、あとは作り置きの簡単漬物と、やはり作り置きの常備菜。これで、今日も一日楽しく充実し…

 『たそがれ(いくつになっても男と女)』07年日本映画監督:いまおかしんじ/脚本:谷口晃

成人映画の配給ルートを対象にして制作された映画が、評判をよび一般公開されるようになったという曰く付きの15歳以下鑑賞制限付きの、やはり分類するとしたら成人向け映画だが、評判通りのなかなかの名作。最近、老人問題をテーマにした映画が多いが、この…

 「漫画『神聖喜劇』全六巻」 原作・大西巨人 漫画・のぞゑのぶひさ 企画・脚色・岩田和博 (発行幻冬舎)

この国の漫画の表現水準がついにここまで来たかと感心させられるような、画期的な力作漫画を紹介しよう、大西巨人の大作「神聖喜劇」を漫画化した「漫画神聖喜劇全六巻」。映像表現が持つ視覚的な説明力を生かして、原作ではやや退屈だった地の文を極力省き…

 「ああ 好食大論争 開高健全対話集成1・食編」1982初刷 (発行潮出版社)

89年の12月に開高健が亡くなってそろそろ20年近くが経過しようとしている。彼が元気なころは、いろいろな活字メディアに出てくる対談を読むのが楽しみだった。本人の饒舌極まりないトークの魅力は勿論だが、対話する相手から思いがけない話題を引き出してく…

『バート・マンロー/スピードの神に恋した男』ジョージ・ベッグ著 中俣真知子/ 池谷 代/岡山徹(翻訳) (発行ランダムハウス講談社) 『世界最速のインディアン』監督: ロジャー・ドナルドソン/出演: アンソニー・ホプキンス

最初に見たのは、映画だった。名優アンソニー・ホプキンスが演じたスピード狂のオートバイ乗りが何とも洒脱でかっこよくて、すっかり映画に魅了された。スピード世界記録をテーマにするだけあって、映画のスピード表現が見事。恐ろしいほどのスピード感が伝…

 全自動パノラマソフトのご案内

これまでパノラマ写真を作るのに、手間暇をかけた割には、つなぎ目の処理がまずかったりして、なかなか満足のいくものができなくてイライラいてきた。ところが今回紹介する無料ソフトのオートステッチは、初めて満足のいくほぼ完璧なパノラマ写真作成ソフト…

 赤毛のアン出版100周年の記念行事を楽しむ

以前にも取り上げたがhttp://d.hatena.ne.jp/toumeioj3/20080306、今年は赤毛のアンの出版100年目、100周年を記念していろんなところで100周年を記念する商売が大賑わい。こんな機会でもなければお目にかかれない手の込んだ企画が、アンの人気にあやかって登…

 『北斎漫画―初摺(全)』 絵葛飾北斎 (発行小学館)

凡例では次のように本書の内容を説明している。「本書は文化11年(1814)より65年間という長年月にわたって刊行されつづけた、葛飾北斎(1760〜1840)の筆になる絵手本(木版画)シリーズ『傳神開手北斎漫画』初編〜15編の初摺本全15冊を、各表紙と大方の広…

 雑木林の地面では

手入れの行き届いた武蔵野の雑木林は面白い。国木田独歩が美しい景観を絶賛した武蔵野も、きっとこんな林だったのだろうという気がする。 咲き出した野草の花の間に、日差しを浴びて小さな命の営みがいくつの展開されていた。秋に落ちたドングリ達が何と一斉…

 雑木林の新芽が美しい

武蔵野の雑木林が、一斉に薄い黄緑色に包まれてきた。落葉する広葉樹は、秋に葉を落とし、春になると新しい気孔がつまっていない新鮮な若葉を芽生えさせる。素晴らしい衣替えの摂理。落ち葉を踏みしめて歩いていると、遊びにきた野鳥の囀りに包まれ、何とも…

 武蔵野の雑木林で芽吹き始めた広葉樹

農家から借りている農園に農作業に出かけた。武蔵野は、いたるところで春の花が咲き出し、広葉樹が薄黄緑に芽吹き始めた。畑で作業していると、午前中から気温が上がり、暑くて上着を脱いでも頭の中に汗がにじんだ。紫外線も強く、眩しくて目を細めながら作…

 花わさびのツーンとくるおひたし

春先にしか店頭に出ない季節の野菜「花わさび」、鼻の奥にツーンとくる強烈な刺激は冬眠していた動物たちの目覚ましになりそう。僅かに残る冬の名残りのような鮮烈な刺激、この時期にしか味わえない春の味覚をお勧めしたい。 (画像は今日買ってきた今年の花…