武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 雑木林の地面では

 手入れの行き届いた武蔵野の雑木林は面白い。国木田独歩が美しい景観を絶賛した武蔵野も、きっとこんな林だったのだろうという気がする。

 咲き出した野草の花の間に、日差しを浴びて小さな命の営みがいくつの展開されていた。秋に落ちたドングリ達が何と一斉に殻を割って芽吹いている。親樹が大きいのでその側では成長はも望めないのだが、可憐に次々と芽吹いている。(画像は、コナラのドングリが健気に発芽した様子)
 植物の親子関係は、DNAの継承だけで相互の扶助関係などないのだが、上から優しく見下ろしているような気がしないでもない。発芽のエネルギーを提供する双葉を押しのけて、本葉がささやかに葉を広げている。こんな発芽したばかりのドングリが、足の踏み場もないほどに、一面にばらまかれて活動を始めている。