武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 『蝶の生活』 シュナック著 岡田朝雄訳(岩波文庫)

かつて私達の身辺に自然が色濃く残っていた時代、子ども達の中に一定の割合で、昆虫に並外れた興味をもち誰もが昆虫博士として認める子どもがいたものだった。身近な自然がどんどん失われてしまった今、かつてのような昆虫少年は、今もいるのだろうか。この…

 『希望格差社会』山口昌弘著(発行筑摩書房)

以前に同じ著者の「パラサイト・シングルの時代」を読み、時代の流れを敏感に読み解く著者の家族社会学者としての手腕に感心したことがある。本書は、家族という切り口から現代社会を論じてきた著者の現代社会論のひとつの総括的仕事という印象を受けた。 1…

 労働市場の歪み=プールの児童水死事故にかかわって

昨日、埼玉県ふじみ野市の市営プールで、流れるプールの吸水口に小学2年生が吸い込まれ、死亡するという痛ましい事故が発生した。吸水口の蓋が何らかの原因で外れ、そこに当該児童が吸い込まれてしまったもの。 今日になって、事故発生の原因を報道各社は、…