武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 『白楽天詩集』白居易著武部利男編訳 (発行平凡社ライブラリー1998/8/15)

中国の古典文学ほどこの国の文学的感性に大きな影響を与えたものは他にないだろう。にもかかわらず、漢詩を日本語に翻訳する試みはこれまであまり精力的には取り組まれてこなかった。その理由について、中国文学研究者である荒井健氏は中国詩人選集のしおり…

 『これからのバックパッキング シェラクラブからローインパクト法の提案』 ジョン・ハート著 細野平四郎訳 (発行森林書房1980/7/1)

書庫の奥から懐かしいものが出てきた。今から30年以上前のとっくに賞味期限が切れているはずの本だが、キャンプやロングツーリングをする際に、この本を繰り返し参考にした。野外生活のあらゆる場面を想定して、理念ではなく技術を前面に出しながら、ストイ…

 スダジイとクスノキが満開

何日ぶりかで早朝の航空公園散歩に行ってきた。園内の樹木の花が交代していることを期待してカメラを持っていった。予想通り、散りかけていた花々は散りつくして花の時期を終えており、数日間でもハッキリと季節が移り変わっていた。 今朝の見ものは、園の中…

 雨の兼六園散策

久しぶりに金沢に行ってきた。いつもは金沢駅近くのホテルで宿を取るのだが、今回は兼六園の近くにある<白鳥路ホテル>に宿泊、歩いて兼六園を散歩した。今回、はじめて利用したが、地下に温泉浴場があり、こじんまりとした清潔感のある気持ちの良いホテル…

 <狐>名義の匿名書評の愉しみに嵌っていること

1981年から2003年まで「日刊ゲンダイ」で毎週1回続けられてきた<狐>名義の匿名書評が好評を呼び、まとめられて4冊の本になっている。1992年の『狐の書評』本の雑誌社、1996年の『野蛮な図書目録 匿名書評の秘かな愉しみ』、1999年の『狐の読書快然』洋泉社…

 グーグルのブラウザ「クローム」を使ってみて

インターネットの閲覧ソフトは、インターネットへの窓口、シェア1位のマイクロソフトの「インターネット・エクスプローラ」や2位の「ファイアフォックス」など、これらは甲乙つけがたく実に良くできているが、動作が重いなど若干の不満がないではない。そん…

国際楽譜ライブラリープロジェクト(別名ペトルッチ楽譜ライブラリー)のご紹介

著作権の消滅した音楽家の楽譜を、大規模に無料公開している素晴らしいサイトに遭遇したので、ご紹介したい。名付けて「国際楽譜ライブラリープロジェクト(別名ペトルッチ楽譜ライブラリー)」、バッハをはじめショパン、ブラームス、ヘンデル、コレッリ、…

 『宇宙創成<上><下>』 サイモン・シン著 青木薫訳 (発行新潮社2009/1/28)

優れた科学読み物に巡り会うと、二つ得した気分になれる。よく知らなかった分野の知識や思考方法がスッキリと分かったような気分になれること、もう一つは、記述の明晰さを辿っているうちに何だか自分の頭が良くなったような気がしてくること。逆に良くない…

 ためしてガッテン「急増する新型・栄養失調の恐怖」に触発されて

先日、NHKの生活情報番組「ためしてガッテン」を見て、高齢者の栄養失調の話題が気になったので、さっそく番組に登場した<10品目シート>なるものをダウンロードし、プリントアウトして我が家の栄養状態をチェックしてみた。 僅か10品目と侮る事なかれ、意…

 『フロスト気質(上)(下)』 R・D・ウィングフィールド著/芹澤恵訳 (発行創元推理文庫2008/7/31)

現役のころのある日の通勤電車の中で見た光景、夜の退勤時刻の空席に腰を下ろした老紳士が、鞄から取り出して読み始めたのはシリーズ3冊目の「夜のフロスト」だった。書店で購入したばかりらしく1ページ目からゆっくりと読み出したその様子が、芳醇な喜びを…

 航空公園の早朝散歩

ゴールデンウィークの長い晴天を境にして季節が一気に初夏となった。日中の散歩は日差しが強く紫外線の被曝量も多くなってきたので、夜明け過ぎの早朝散歩に切り替えることにした。寒い季節、早朝は家に閉じこもっていたので、久しぶりの航空公園の早朝散歩…

 緑滴る武蔵野の新緑

ゴールデンウィーク中は、どこに行っても人出で混み合っていることが分かっているので、退職者は、自宅周辺でうろうろして過ごすことにしている。この時期にまとめて休暇を取るしかない現役に観光地はすべて譲って、近場を少し見て歩いた。 お気に入りの雑木…

 『シズコさん』 佐野洋子著 (発行新潮社2008/4/25)

絵本「100万回生きたねこ」を初めて読んだ時の驚きは、忘れられない。児童用の読み物にしては余りにも残酷で、終わり方の限りない優しさと救済に満ちたメッセージ、途轍もなく斬新な絵本の世界に私は言葉を失った。我が家の子ども達が成長した後だったので、…