武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 雨の兼六園散策


 久しぶりに金沢に行ってきた。いつもは金沢駅近くのホテルで宿を取るのだが、今回は兼六園の近くにある<白鳥路ホテル>に宿泊、歩いて兼六園を散歩した。今回、はじめて利用したが、地下に温泉浴場があり、こじんまりとした清潔感のある気持ちの良いホテルだった。
 兼六園には雪と雨がよく似合う。しっとりと雨に濡れた木々の間を、観光に訪れた中国人の話す中国語の響きが行き交っていた。日本人よりも、中国人の方が多いような印象を受けた。そのせいか今回、園内を歩いてみて、中国式の造園技術を日本的に脚色したと思われる造園技法が目に付いた。
 大事に管理されて立派に成長した、古木に目を引かれた。桂坂口のすぐちかくにある椎の木の古木の露出した根っ子が見事だった。有名な<根上松>の枝振りも相変わらず素晴らしかった。江戸時代、土木技術の粋を集めて水を引き上げた園内には、たっぷりと水を引き回してあり、水を多用したのが幸いして樹木にとって生育しやすい環境となっているのだろう。それにしても雨に濡れ水をたっぷり含んだ瑞々しい苔の色の鮮やかなこと。 (上の画像は怪奇なまでに枝を広げた松の古木、左が椎の木の露出した根っ子)