2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧
マキシムは1975年クロアチア生まれのピアニスト、と言うことは1991年の旧ユーゴスラビアからの独立と90年代前半のセルビア人との戦争など、国家と民族が激動する紛争の日々を、多感な20代に過ごしたことになる。プログラムの解説によれば、戦火…
チェコフィルの全曲ドヴォルザーク公演があると言うので、所沢文化センター・ミューズ・アークホールへ聴きに行ってきた。プログラムは、①序曲「謝肉祭」、②交響曲第8番ト長調、③交響曲第9番ホ短調「新世界より」。指揮はズデネク・マカール。 文句なしに…
この小説をはじめて読んだ時、物語のどこを探しても作者の視点と言うか、作者の物の見方を代表している登場人物が見当たらないことに、戸惑ったことを覚えている。若い頃は作者の自己主張の強いものを好んで読んでいて、作者の分身のような視点人物が不在の…
今日、11月20日、所沢市民センター ミューズ アークホールにおいて、モーツアルトのレクイエムをメインプログラムにすえたコンサートがあり、聴きに行ってきた。東京交響楽団、指揮はユベール・スダーン、ソプラノは高橋薫子、アルトは小山由美、テノールは…
再び動き出した銀河鉄道の社内風景、この章は銀河鉄道に乗り合わせた乗客の旅人同士の会話が主体となってできている。会話に参加する乗客は、①ジョバンニ、②カンパネルラ、③鳥を捕る人、④鍵を持った人、この四名、章の中心人物は勿論<鳥捕り>、銀河世界の…
死の宇宙を旅する銀河の旅は、ますます深度を増し、悲しみの彼方へと進んでゆく。時々、切ない情感を伴い現実を振り返りながら、この世から遠ざかってゆく。原文を読んでみよう。 「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」 いきなり、カムパネルラ…
そして、いよいよ銀河鉄道の旅が始まる第6章「銀河ステーション」 この章から、宮沢賢治の文章は輝きと透明度を増し、煌めく幻想の世界が次々に展開する。何とも美しいイメージの乱舞、しかも深い悲しみに彩られた場面展開、涙が結晶となって眩く輝いている…
そんな死の恐怖の魅惑に染め上げられて暗く輝いていた私の「銀河鉄道」が、ある時読み返して、改定されて全然印象が違ってしまったのに驚いた。どの版を読んでも、改定の理由ははっきりした根拠があり、文句のつけようがないが、私には、「銀河鉄道」が輝き…
大量絶滅とは、地球上の多くの生物が同時に一斉に絶滅すること、地質時代において幾度もあったとされている。多細胞生物が一斉に現れたカンブリア紀以降、6度の大量絶滅があったとされる。はっきりとした原因は明らかになっていないが、隕石や彗星などの天体…
空山基さんの全作品集が出ると聞いて期待していた。それまでは、大型本で豪華な本ばかり、全作品集と言うからにはさぞ豪華で高価な本になるだろうと予想していたが、A5版と普通の書籍サイズ、装丁は硬質ビニルでカバーされ使われている紙がいつもと違う中質…
前回、あまりに混み合っていて落ち着いて見られなかったので、休日出勤の代休を利用して、今日、再度、上野の国立博物館に「北斎展」を見に行った。すいている事を期待して行ったのだが、今日も日曜日と同じほどの入場者数、人の列に挟まれながら頑張って見…
上巻を手に取り目次をめくり、少し読んでみる。敬体の丁寧な文章が何の抵抗もなくすうっと流れこんでくる感じ、読みやすい。もう少し読んで最初の1篇を読んだ。面白い。洒落ている。ユーモアのセンスがあり、にんまりした。借りることに決めで、他の本と一緒…
長続きはしないが、一二日秋らしい晴天の日がやってくる。そして一雨ごとに気温が下がってゆく。秋は往くのが早い季節だ。 とりわけ早朝の重く冷たい空気が街中にみなぎっているような感じがする朝の散歩はすがすがしくていい。可能な限り薄着で家を出る。玄…