2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
90年代の中国を舞台に、若い女性二人の同性愛を主題にした耽美的な悲劇の恋愛ドラマ、背後に流れる音楽と、ドラマの舞台となる湖に浮かぶ孤島の蒸せるような南国的な美しさに、思わず画面に引き込まれてしまった。映像と音楽と見終わった後の悲哀に満ちた…
何日か確認は出来なかったが先週のある日、冷え込みがきつかった早朝、仲間と一緒に借りている菜園一帯に初霜が降りたという話を農家から聞いた。暦では10月24日が霜降、11月7日が立冬となっているから、季節的には何の不思議もないことだが、趣味的…
この国の出版文化について調べていて、明治以降の出版史の背後に、国家権力との出版の自由をめぐる長い軋轢の歴史があることが気になっていた。また、マンガの戦後史を調べていて、米沢嘉博というマンガ研究者の重要性を再確認した。この二つのテーマが、米…
伊豆高原の一角にある岩崎一彰さんの宇宙美術館へ行って来た。申し訳ないことだが、岩崎一彰さんのお名前は私の記憶にとどまっていなかった。展示をみて吃驚、受付の方に「きっと懐かしい世界ですよ」と言われた訳がすぐに分かった。かつて何度も眺めて宇宙…
ネットや本の画像で見かけてその絢爛たる幻想世界に魅せられ、大作主義の画家だと言うことが分かり、かねてより原画を拝見したいと願ってきたが、気がついたときには運悪く展覧会が終わっていたりあまりにも遠距離だったりして、なかなかお目にかかれなかっ…
横浜の<港の見える丘公園>の一角にある神奈川近代文学館で開催されている、今は亡き戦後作家堀田善衛展に行って来た。類い希な散文表現の名手だった堀田善衛の世界は、彼の作品の中にその全てが表現し尽くされていると思っているので、どのような展示を見…
仲間と一緒に雑木林の不法投棄されたゴミ拾いに行って来た。月に1回のゴミ拾いだが、いつの間にか雑木林の道ばたにいろんなゴミが捨ててある。多いのは飲み物の空き缶や空き瓶ペットボトルなどだが、中には使わなくなった電気製品や引っ越しの時にでたと思…
76年に1号を出してから32年間に1500号を発行したのだそうだ。70年代には、マガジンとブックに間の位置するムックという出版形態自体が珍しくて新鮮だったことを覚えている。雑誌の特集にしては内容が充実しすぎているのに、なぜか書籍の形になる…
今日の夕方、図書館へ行った帰り、航空公園を歩いていて、耳慣れない音楽が聞こえてきたので気になり、桜の木の下で演奏していた人に声をかけてみた。そこで教わったのがこの「ハンマードダルシマー」という楽器名、スタンドの上に斜めにおいてある。10c…
日頃からの辛さ好みが高じて、今年は仲間と借りている武蔵野の畑の片隅に、島唐辛子とハバネロの苗を植えて育ててきた。このところ木枯らし1号が吹いたりして晩秋の色が濃くなり、激辛唐辛子達の実が赤く熟して、この1ヶ月ばかり週末がくるたびに少しずつ…
別冊太陽の<少女マンガの世界>が楽しかったので、この<少年マンガの世界>も併せて紹介することにしよう。こちらも全面的に米沢嘉博さんが協力してできたものらしく、至る所に米沢さんのセンスと言うかマンガ観が色濃く反映しており、そのことがこの二冊…
非難や攻撃の対象にはなっても正面から評論の対象として取り上げられることの少なかった不幸な表現世界、エロマンガを本格的に論じたマンガ論、この国のマンガ文化の一端をしめるこのジャンルの蓄積は、すでに膨大な量となり、質的にも高度な水準の表現世界…
最近見た映画の中で、久しぶりにお話の展開に引き込まれて、最後まで時間の経過を忘れて見入ってしまった映画があるので、紹介したい。 お話の柱になっているのは、80歳をこえる老ピアノ教師と、殺人の罪で収容されているピアノの才能を秘めた手が付けられな…
視覚的効果を最もうまく生かした本に平凡社の「別冊太陽」がある。単行本にすると重苦しい感じになりかねない造本とテーマを、ソフトカバーの雑誌形態でかわして、独自の出版形態を発達させた似たような企画に「別冊宝島」があるが、いずれもこれまで随分と…
知り合いのお宅を訪問した折など、案内された部屋に本棚があると、しばらくそちらの方に視線が吸い寄せられてしまい、しばし話題に集中できなくて困ることがある。その昔、国家による思想弾圧が厳しかったころ、官憲は取り締まり対象者の本棚に目を光らせ、…
10月29日から、グーグルマップが、また新しいサービスを始めた。歩行による移動ではなく、車による移動を想定して作ったナビゲーション機能、実際に宗谷岬から石垣島までを入力して使ってみたが、可なり厄介な計算のはずなのに、ほぼ瞬時に結果が出たのには…
この物語はミステリーではないので、ネタバレになってもこれからこの物語を読む人の妨げにならないと信じて、思い切ってストーリーに踏み込むことにする。気になる方は、お読みになってから再度お訪ね願いたい。 これは相当の高齢者小説、最近の言葉で言えば…