武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

 ピェンロー(中国の白菜鍋)の作り方(画像は文芸春秋刊の「河童のスケッチブック」の裏表紙をそっくり引用したもの)

私は、気分転換に料理を作るのが好きだが、<鍋物>を作ることはほとんどない。大きな鍋の中に、食材を入れすぎてしまい入った食材の持ち味を、最終的に台無しにしてしまうのが、いわゆる<鍋物>ではないかと思っている。食材それ自体の持ち味を引き出すか…

 沖縄の島々への避寒紀行(3) (画像は竹富島の散歩中に見かけた花とケムシ、12月のこの時期になんとケムシがお食事中ですよ)

3日目の今日は、石垣島の大原港から再び高速船で竹富島に渡り、最も八重山諸島らしい家並みが見られる集落を観光、のんびりと赤瓦とサンゴの石垣の集落を歩く。サンゴ由来の白い砂を敷き詰めた集落の道を歩いていると気持ちがのんびりしてくる。 散歩中に不…

 沖縄の島々への避寒紀行(2)(画像は仲間川で見かけたカンムリワシ、ガイドの話ではかなり高齢の固体のようだと言う、甲高い声で鳴いていた)

石垣島の大原港から高速船で西表島へ、高出力のエンジンを2基搭載した高速船は素晴らしいスピードで海上を飛ぶように走る。30kmはなれた西表島に10分もかからずに到着。島の自然は濃厚な亜熱帯の表情を見せる。島最大の河川、仲間川に行き、観光船で…

 沖縄の島々への避寒紀行(1)(画像は石垣島の鍾乳洞の稀に見る立派な鍾乳石)

例年になく寒波の到来が早いので、この国唯一の亜熱帯地帯に属する沖縄の島へ行ってきた。初日は羽田空港から那覇空港へ、那覇空港から石垣空港へと大移動、自宅を午前8時に発ち石垣島の宿泊先に着いたのが午後8時、途中の接続が上手くいかないと半日の時…

 『ロマネ・コンティ・一九三五年』開高健著(文芸春秋)

開高健が作家として、一人称で語ることをためらわなくなり、作品に濃厚に自らの体験を挿入するようになってからの長編作品の傑作が「夏の闇」だとしたら、短編作品集の傑作が本書「ロマネ・コンティ・一九三五年」になるに違いない。瑕なく磨き上げられた完…

 『西洋音楽史−「クラシック」の黄昏』岡田曉生著(中公新書)

歴史の本を読む喜びは、これまで自分の中にあった歴史認識を新たな事実や方法で書き換えることにあるような気がする。勿論、薄れ掛けていた知識を窓ガラスを磨いて視界を鮮明にするように、新鮮に甦らせるもらうのも、歴史書を紐解く喜びといえる。歴史教科…

 これは野菜か果物か?(画像は今年の7月頃の近所の果樹園のイガグリ坊主)

我が家の子どもが小さかった頃、小学校の社会科か何かの時間に出た疑問を家に持ち帰り、家中で話題になったことがあります。この問題は家族中のちょっとした話題になったことを覚えています。この話題は、その時以外にも、何度か話題になったことがあるので…

 『太陽の都』トマーゾ・カンパネッラ著 近藤 恒一訳(岩波文庫)

文庫の表紙にある解説がとても分かりやすいのでまずその部分を引用する。「スペイン支配下の南イタリア独立を企て挫折した自らの改革運動の理想化の試みとして,カンパネッラ(1568―1639)が獄中で執筆したユートピア論」。西欧社会が封建社会から近…

 『図解・あなたのまわりのアスベスト危険度診断』中皮腫・塵肺・アスベストセンター編(朝日新聞社)

洪水のようだったアスベスト報道が一段落した。国のほうも法的な整備をすすめ、アスベスト被害の救済策に新たな姿勢で取り組みだした。だが、これでアスベスト問題がなくなったわけではない。アスベスト被害者は今後も増え続け、被爆者の「静かな時限爆弾」…

 『バカの壁』養老孟司著(新潮新書)

2003年4月発行とあるので、この本が200万部を越える超ベストセラーを記録してから、可なり時間が経過したことになる。何がそんなに売れるのか、気にはなっていたがチト無神経な題名が気に入らなくて、手には取ってみたが買ってまでは読む気になれな…

 『胎児の世界−人類の生命記憶』三木成夫著(中公新書)

茂木健一郎さんの本を読んでいて、三木成夫の名前を知ったのは、つい最近のこと。相当にあくの強い人だったらしいが、既に故人、著作が残っているのでさっそく手に取ってみた。中公新書の手軽な1冊、軽い読み物のつもりだったが、刺激に満ちた中身の濃い1…

 花梨ジャムとキウイジャムの作り方

今日は大陸からの強い寒波がふきつけて、冬の本格的な到来を告げている。実りの秋を過ぎたが、取り残した果実が凍りつく前に、最後の花梨とキウイを収穫した。気分転換に先週の時間がある夜長にジャム作りをしてみたので紹介しよう。 花梨は<のど飴>が商品…

 『脳と仮想』茂木健一郎著(発行新潮社)

人間の脳を巡る話題には、あまり詳しく知りたくないという気持ちと知らずには済まされないという気持ちが拮抗し、ドキドキしたりワクワクしたりする。これまで何冊かアリ地獄を覗き込むアリになったような気持ちで脳の機能と構造や認知についての本を手に取…

 爽快な早朝出勤(画像は数日前に近所の農道で移した菊、この時期色とりどりの菊ばかりが目に付く)

この頃は日の出前に家を出る。あけ始めた薄暗い道に出ると、寒さに全身をぎゅっと包まれる。冬のジャケットの上にウインドブレーカーを着て、はじめはゆっくり次第にスピードを上げて歩き出す。歩き始めは寒く感じるが10分もすると身体が温まり始める。 住宅…

 『北海道田舎移住日記』はた万次郎著(集英社文庫)

この本は数年前に近所のbookoffの100円コーナーで買ったような気がする。北海道を旅することが好きなので北海道が題名にあったから何冊か求めて買う本の中に加えておいたのだ。日記形式でしかも日付入りで書かれたもののリアリティーが好きで、日記本は時々…

 『夏の闇』開高健著(1972年3月発行新潮社)

この本も何回読み返したか分からない。あらゆる点で最高度に完成し、あやういまでに調和の取れた現代における孤独な男と女の物語。著者半生の忘れがたいエピソードが、熟成したお酒のようなほどよい発酵具合で散りばめられていて、読むたびに気持ちよく酩酊…