武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2005-12-03から1日間の記事一覧

 『夏の闇』開高健著(1972年3月発行新潮社)

この本も何回読み返したか分からない。あらゆる点で最高度に完成し、あやういまでに調和の取れた現代における孤独な男と女の物語。著者半生の忘れがたいエピソードが、熟成したお酒のようなほどよい発酵具合で散りばめられていて、読むたびに気持ちよく酩酊…