武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 広大な宇宙に地球が誕生して46億年、気の遠くなるような年月の間に、生命が誕生し進化して36億年。この長い地球生物の進化の過程で、地球上の生命のほとんどが死滅するような大事件が、何度も繰り返して発生したらしいと言う話、高校で生物を取った方なら聞いたことがあると思うが、私はこの大量絶滅の話となるとなぜだか好奇心が掻き立てられてワクワクしてしまう一人。(画像は暗黒の海中に漂う三葉虫のイメージ)

toumeioj32005-11-08

 大量絶滅とは、地球上の多くの生物が同時に一斉に絶滅すること、地質時代において幾度もあったとされている。多細胞生物が一斉に現れたカンブリア紀以降、6度の大量絶滅があったとされる。はっきりとした原因は明らかになっていないが、隕石や彗星などの天体の衝突、大規模な火山活動の活発化によるものとする説などがある。古い化石を年代順に研究するとある時代を境に特定の生命が広範囲にほとんどいなくなることから、絶滅したらしいと推測されるもの。すべて学説や仮説の範囲を出ない話だが、とてつもない話で私ほこの種の話がたまらなく大好き。
 なお、大量絶滅の直後には、空席になった生態的地位を埋めるために生き延びた生物の急激な適応放散がおきたとされる。恐竜が絶滅したことにより、白亜紀には少数派であった哺乳類が急速に多様化し大型化が進み繁栄するようになったことなど。
 絶滅の運命が近づいてくる時期、絶滅が進行してゆく時期、絶滅の原因が排除されわずかな生命が取り残されたように生き残り復活してくる時期、どの時期を想像しても、壮大で激烈な生命ドラマを想像してワクワクしませんか。それでは、この地球上で発生したとされる大量絶滅を順番に簡単になぞってみましょう。

①原生代末の大量絶滅(5億4500万年前)・・・原生代のベンド紀にはエディアカラ生物群が存在していたが、このエディアカラ生物群は約5億4500万年前のV/C境界を境に殆ど見つからなくなった。これが分かっている限りの最初の大量絶滅。不明な点が多い。五大量絶滅にはこの絶滅は入れない。

オルドビス紀末の大量絶滅(4億3500万年前)・・・古生代オルドビス紀末(約4億3500万年前)に大量絶滅が発生した。大いに繁栄していた三葉虫の種が半減してしまったとされる。三葉虫類・海ユリ類・腕足類のグループが絶滅した。地球規模の大氷河期があったのではないかといわれている。

デボン紀後期の大量絶滅(3億6000万年前)・・・古生代デボン紀後期(約3億6000万年前)には多くの海生生物が絶滅している。プラコデルム類やオストラコデルム類や一部のオウムガイ類、三葉虫類のほとんどが死んだ。400万年の長い氷河期のために絶滅したとされている。なんと全生命体の99%以上が滅んだという徹底的な絶滅だった。400万年間の氷河期、創造できますか。凄い。人類史が500万年、それに近い長い氷河期。それ以前の生命のほとんどがこの間に絶滅してしまった。

ペルム紀末の大量絶滅(2億4800万年前)・・・古生代後期のペルム紀末、P/T境界(約2億5千万年前)に地球の歴史上最大の大量絶滅が発生している。海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅したと言われ、三葉虫もここで完全に絶滅している。大陸の移動などで浅い海が減るなど、急激な生活環境の変化が原因と思われている。これほどのことがあっても、なお生命が生存し続けてきたと言うこと、このこともまた凄い。

三畳紀末の大量絶滅(2億1200万年前)・・・中生代三畳紀末(約2億1200万年前)の大量絶滅でアンモナイトの多くの種が絶滅。乾燥化と高温化の影響で陸と海と大絶滅が起こる。アンモナイト類は絶滅しかがる1〜2種がジェラ紀まで生き残り再び繁栄する。

白亜紀末の大量絶滅(6500万年前)・・・白亜紀に繁栄していた恐竜は約6500万年前に突如として絶滅してしまった。アンモナイトが絶滅したのもこの時期である。原因は巨大隕石が地球に衝突し、巻き上げられたチリが太陽の光を遮ることで、全地球規模の気温低下を引き起こし、大量絶滅につながったと考えられている。3億年生きたアンモナイトもついに絶滅。しかし、魚類やワニ、トカゲ、昆虫などからだの小さい生き物は生き残って現在に至る。

 大量絶滅の原因説がいろいろあり、これがまた素晴らしく想像力を刺激する。何百万年も続く長期氷河期説、大規模な火山活動説、超大陸であるパンゲア大陸の形成による説、巨大隕石衝突説、どれをとっても刺激的だとは思いませんか。
 しかも、これらの大量絶滅が地球生命の進化に、劇的な影響をあたえ、生命進化をリセットしてきたする考え方さえある。資本主義社会の大恐慌を彷彿とさせるではありませんか。今後、再び大量絶滅は起きないのだろうか。大量絶滅のサイクルが人類史の幅を大きく超えているらしいが、一体どうなることやら。宇宙の果てを想像するのもワクワクするが、地球生命の大量絶滅もそれ以上に知的好奇心を刺激して止まない。