武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 花わさびのツーンとくるおひたし

 春先にしか店頭に出ない季節の野菜「花わさび」、鼻の奥にツーンとくる強烈な刺激は冬眠していた動物たちの目覚ましになりそう。僅かに残る冬の名残りのような鮮烈な刺激、この時期にしか味わえない春の味覚をお勧めしたい。 (画像は今日買ってきた今年の花わさび、茎は白くミツバそっくり)

 近所のスーパーに並んでいたのをさっそく買ってきた。以前に、しっかり茹でてしまって辛味をだいなしにしてしまったことがあるので慎重に手早く調理。こんな簡単なことを調理と呼ぶの恥ずかしいほどだが、細胞の中に眠る揮発性の辛味成分をいかに上手に引き出し逃がさないかがポイント。
 買ってきた花わさびについていた帯には、おいしい食べ方として次のような手順が書いてあった。(1)水洗いして3cm位に切る。(2)水切れのいい器にいれ、熱湯を均等にかける。(3)水でさっと冷やし、少々の食塩をかけて強くもみ、素早く完全密封する。(4)3〜4時間位で食べられます。これも、やってみたことがあります。うまくいきます。
 丸元淑生さんのクックブックでは、湯通しや湯をかける方法を風味を台無しにするとして否定しているが、これは疑わしい。湯通しはやめた方がいいが、湯をかける方法は問題ないのは前述の通り。むしろ辛味を引き出すために湯をかけたほうが細胞が壊れ辛味がよくでる。こだわるなら熱湯は80℃あたりまで冷ましてかけるといい。
 加熱温度と時間については、諸説がある。①沸騰したお湯を振りかける。②80℃にさっと潜らせる。③60〜70℃に漬けて1分間密閉する。④全く加熱しない。面白いので、どれがベストなのか近いうちに実験してみたい。
 お勧めのやり方 (1)水洗いして、茎と葉や花を切り分け、(2)茎を食べやすい大きさに切りさっと湯を振りかけ手早く冷水で冷まし、軽く塩を振り茎の組織を潰すように強く塩揉みする。(3)塩揉みした茎と葉や花を混ぜ合わせ、密封容器に2時間保存、(4)2時間後に、酒・酢・醤油を等量混ぜて一度煮立ててアルコールをとばして冷ました三杯酢に浸す、これで出来上がり。
 冷蔵庫で1週間ぐらいもつので、強烈な刺激をしばらく堪能したい。是非お試しあれ。