武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(84)


《山荘での滞在日数−その2と、葛の話》

 赤城南麓の山荘で二地域暮らしをするようになって三年近くなる。二つの地域で暮らす生活スタイルにも慣れてきたので、今年に入って滞在日数をカウントしている。1月から3月までを便宜的に冬として数えたら39日だった。4月から6月までを春とみなして数えてみたら43日だった。

 冬と比べてあまり増えていないということは、赤城南麓の冬が気候穏やかなことと、現住所での暮らしが相変わらずけっこう多忙なことと関係している。多くの友人は現役世代なので、イベントなどは土日に集中しており赤城で週末を過ごすことはほとんどない。リタイアしてからは、週日よりも土日が忙しい。

 さて、山荘での夏は雑草とのたたかいが滞在時間のほとんどを占めている。激しく成長する夏草の勢いには生命力のほとばしりを感じる。以前にも書いたが、なかでもつる草クズ(葛)の傍若無人ぶりには手を焼いている。

 調べてみると以前はクズは有用植物として、根はデンプン葛根湯の原料として珍重され、強靭なつる状の茎は物を縛る結束用の紐として利用され、花は薬用の葛花として漢方で使われていたらしい。最近でも、葛花はダイエット食品として脚光を浴びているという記事をみた。(右の画像は、大きく葉を広げた陰で、次々と花をひらいてゆく葛花)

 今年は敷地内のほとんどの樹木にアクセスできるように、藪を切り開いて小道を増設したので、木々に絡み付いていた太い木質化した葛の茎はほとんど切り払った。それでも7月ににはいると玉切りしたままの丸太や枯れ枝の小山を蔽いつくすほどの勢いで繁茂している。

 葛だけを相手にするのならツルをひっぱって引き剥がし、根元までたどり薬品で根絶する方法もあるのだが、他の夏草もなかなかなので、夏草とのたたかいに苦戦しているのである。その葛にこのところやっと花が咲いた。やはりリタイアして別の地域で二地域暮らしをしている友人から、葛は花が咲いたらいつの間にか秋になって枯れるので心配はいらないという話を聞いた。確かに夏が終われば、葛は枯れてしまう。 せっかくのなので、今年は葛の花だけを房ごと摘み取って、葛花のドライフラワーでも作ってみようかと考えている。