武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 戦前の圧力鍋

 我が家の調理には、圧力鍋が欠かせない。現在は20年以上使っている韓国製のものと、最近入手した中国製のものと、2台が太活躍している。良いところは調理時間の短縮と、柔らかく仕上がるところ。煮ることと蒸すことに関しては普通の鍋はかなわない。
 先日、猪谷六合雄の写真をチェックしていて、戦前の圧力鍋の映像を見つけた。猪谷が考案したという薪ストーブに、ピッタリにはまっている圧力鍋の何と古めかしいこと、蓋を止めている6カ所の蝶ネジの愛らしさ。山になった蓋のてっぺんにあるのは蒸気抜きと圧力調整の錘だろうか。昭和17年に撮った写真なので相当に古いものだ。 (画像は、猪谷六合雄選集の別巻と猪谷六合雄スタイルからの借用)
 気圧が下がる高い山などでご飯を炊くときの必需品だったのではないか。昔から玄米食は身体にいいと実践する人がいたので、玄米炊飯用に作られていたのかもしれない。気持ちは良く分かるが、今では考えられない面倒くさそうなデザインが何事にもスローだった昔を偲ばせる。そう言えば、三浦敬三さんも圧力鍋で調理をしていた。映像として見たのは初めて、デザインが面白いのでアップしてみました。