武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 フィルムカメラからのニコンの撤退に思うこと(画像はキャノンのデジタル一眼レフで写した石垣島の不思議な花?)

toumeioj32006-01-13

 今朝の朝日新聞の一面に出ていた「フィルムカメラニコン撤退へ」の記事には驚いた。フィルムカメラから事実上ニコンは撤退し、一眼レフの8機種のうち6機種の生産を順次終了、残る2機種も開発をやめるという。F6とFM10のみ生産を継続し、他の機種は生産を終える。2000年に108万台売れていたのが05年には14万台にフィルムカメラの売れ行きが落ち込んだため。今後はデジタカメラに経営資源を集中するとしている。
 カメラをめぐる市場の変化に今更ながら驚く。同紙の13面には、「デジタルカメラ業界消耗戦」の記事がでている。<高画素・薄型・液晶大画面>などのセールスポイントが行き着くところまで行き着き、今は「手ブレ防止機能」を各社で争っているという。
 私の感じでは、デジタルカメラはコンパクトカメラと一眼レフに二極分解しつつあるが、次の段階ではコンパクトカメラは、カメラ付き携帯に最終的には吸収され、消えてしまうのではないかという気がする。観光地でもフイルムカメラを使っている人が激減した。代わりに、携帯でスナップを取る人が増えてきた。画像をそれ自体何かに使おうという人はそんなにいない。単なる思い出作りとして写すなら、コンパクトカメラでも、持ち歩くのには手間がかかり不便。携帯には、何の抵抗感もなく日頃から持ち歩く習慣ができている。持ち歩くことに抵抗感がないと言う一点で、携帯に勝るものはない。
 携帯に付加された機能は、持ち歩ける機能となる。ウォークマンの機能やラジオ受信の機能など持ち歩いて便利だと思われる機能が、今後さらに追加されて、携帯はさらに進化するのは必然の流れだろう。今やお財布の機能まで付加されつつある。情報端末としての機能と情報発信の機能を極限まで高め、記録と芸術文化の創造的機能までも内包してゆくような気がする。従来型のカメラを見ていると、滅び行く恐竜を連想して仕方がない。