武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 『ニセ科学に科学のメス』1月5日(朝日夕刊)(画像は石垣島でみつけた合歓によく似た花オオベニコウガン、記事とは全く無関係)

toumeioj32006-01-06

 日本物理学会が3月に松山市で開く学会で、<ニセ科学>についてシンポジュームを開いて、どう対応すべきか検討すると言う。これまでは相手にしない姿勢でやってきたが、社会的な影響が無視できないとして問題にする方向に方針を転換するという。学会最終日の3月30日に「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」をテーマに実例を取り上げて社会的背景とその社会的影響を協議するもよう。
 朝日新聞の記事からは、これ以上のことは分からないが、私も一見科学的な装いをこらしたこの国の商品広告に<ニセ科学>を感じ、苦々しく思ってきた。いかにも増毛の効果があるかのような頭皮につける整髪料、毛は頭皮から栄養を吸収できるはずがないのに(頭皮は何時から消化吸収能力をもったの?)、顔に塗って肌が若返る化粧品(そんなバカなことあるはずはないのに)などなど、一見もっともらしいコマーシャルが巷にあふれているのが不思議でならなかった。また、茶飲み話としてよくでる血液型性格診断のたぐい、なぜか大手電機メーカーも商品広告に使っているマイナスイオンなるものなどなど、冗談にしても酷すぎる話がごろごろしている。
 果たして、日本物理学会がどれを<ニセ科学>としてリストアップするつもりか、とても興味がある。私としてはきちんとした科学的根拠をもたないあやしげな商品をどんどん暴き立てて欲しいが、そんな勇気があるかどうか。日本物理学会佐藤勝彦会長のコメントにあるように「ニセ科学を批判し社会に科学的な考え方を広めるのは学会の重要な任務の一つ」という趣旨には大いに賛成だ、3月30日の会場に是非潜り込んでみたくなった。