武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

教育

 学力テスト不正発覚に思うこと

共同通信が7月7日に配信したニュースが震源となって、教育の世界に大きな地震を引き起こした。すんなりと全国学力テストが実施に移され、教育に競争原理を導入するなど、なりふりかまわぬ学力向上ブームは、ついに予想通りの不正問題を引き寄せてしまった…

 教育基本法改正を巡る<愛国心>関連の動き

いつものことだが、教育内容を巡る動きで一番気をつけなければならないのが、通知表関連のいわゆる評価の問題。いつの間にかこの国は、民間でも役所でも、業績や成果をいかに評価するかが、ことの動向を大きく左右するようになってしまった。成績の優劣、勝…

 教員免許更新性導入の背景と問題点

26日の朝日新聞によれば、中教審のワーキンググループは現職教員の教員免許にも更新性を導入する方向で案をまとめたとのこと。 100万人を越える現職教員の人事管理の最大の標的は、「指導力不足教員等に対する人事管理システムの構築」であることを知ら…

 『教育と国家』高橋哲哉著(講談社現代新書)

与党の教育基本法改正案の国会提出が、時間の問題になってきている折、すこし頭を冷やしてこの問題の背景と本質を考えてみたくなり、この本を手に取った。著者は、比較的冷静に教育基本法を改正しようとする一群の人々の歴代の問題発言を分析、その背景を流…

 就学援助を受ける児童の増加について(画像は暮れに竹富島でみた見事な木彫、本文と関係ありません。)

今朝の朝日新聞の1面のトップ記事をみて、新しい年の初めにも関わらず、暗い気持ちになってしまった。事件や事故は、どんなに悲惨なものであれ一過的、当事者を含む周辺の関係者が総力を挙げて取り組み修復してゆけば何とかなること、今朝の記事は、じわり…

  石渡利康・三谷芙沙夫訳編集(二見書房発行)

奥付を見ると昭和47年1月発行となっている。1972年になるので、今から35年以上も昔のことになるがとても有益で過激な児童向けの一冊の図書が話題になった。教育関係者の間では、賛否両論が飛び出し、なかでも親たちの良識を代表する各地のPTAが子ど…

 使用説明書、取り扱い説明書、マニュアルを楽しく読書することの勧め 学校教育でも国語の時間に是非取り入れるべき生活者の基礎学力  (写真は朝の通勤で見かけた道端の花タチアオイ、近所の人の風流心だろうか)

「取り扱い説明書を読むのが好きです。」と言うと、ほとんどの人から変人を見るような目で見られる。残念でならない。これが、私が知る身近な人だけの現象ならいいのだが、これまでの経験では、どこで聞いても、誰に聞いても、マニュアルに対する偏見でもあ…

 「君が代」伴奏拒否の波紋 心凍る教育現場からのレポート

「音楽は心で奏でたい」福岡陽子(岩波ブックレット) 一読、著者が追い込まれた苦境の理不尽さに背筋が寒くなった。文中に「心凍らせて」というフレーズが出てくる。歌手、高山巌のヒット作だが、最近の教育現場が心を凍らせるような状況にあることが手に取…

性教育訴訟の続報

昨日お知らせした性教育訴訟の続報が出たので引用します。 性教育:「介入不当」と都教委などを提訴 養護学校教諭ら 東京都立七生養護学校(日野市)の性教育を不適切とした都教育委員会が学校に立ち入って教材を没収し教諭を注意指導したのは不当として、同…

昨日の夕刊に気になる記事があった。ここ数年、教育現場では性教育の混乱と後退が起きていた。取り扱いが非常に難しいが、心の成長に極めて大事な性教育が、政治的なパフォーマンスの対象になってしまい、「不当な支配に屈しない」はずの教育の中立性が危機…

君が代訴訟に注目すべき判決

4月下旬のことでちと古い話ですが、注目すべき判決が教育関連裁判で出ているので、いくつかの新聞報道を引用します。ここ数年、この国の教育現場で進行している君が代強制と処分の動きに波紋を投げかける判例となるかも知れません。強制されると反発したく…

二学期制について

最近、各地で二学期制を採用する小中学校が増えてきました。地域によって二つの制度が混ざり合った現状ですが、全国的には三学期制が減り二学期制が増える傾向にあります。 二期制を採用する学校が増えてきた背景と実情を検討してみましょう。 (1)法的な…