武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 エジプト旅行⑦


 再びこの日は早起きして、ルクソールからカイロへMS132便で国内線の早朝飛行、午前8時にカイロに到着、午前中にカイロ市内観光、といってもエジプト最大のイスラム教寺院、モハメッド・アリ・モスクを見学、この寺院は遺跡ではなくて現役の寺院。周辺に貧しい感じの土産物売りの子ども達がいてしつこく付きまとい、何だか落ち着かない。 (画像はモハメッド・アリ・モスクの遠景)
 これまで観光してきた田舎の様子では、いまなお驢馬が現役の家畜として、労働力と運送の担い手として活動しており、その貧富の差の大きなこと、日本の高度成長前の1950年代をほうふつとさせる光景にたびたび出合い、心が痛んだ。子どもたちが、ウイークデイの日中も働いていて学校へ行っていない様子も散見し、何とも見ていて辛い。
 モスク観光の後、ハーン・ハリーリ市場を散策したが、見たかった青果や鮮魚類の市場には出会えず、価格をつけないで商品を並び、いちいち値段交渉する売り買いのやりかたに、購買意欲を喪失、魅力的な商品もないので、ぼんやり散歩する程度。ずっと、ツーリスト・ポリスが周りにいてたえず護衛してくれている買物は、あまり楽しいものではない。
 観光を国の税収の大きな柱にすると、観光という産業は高度な成長産業にはなりえず、国自体の成長は如何ともしがたく停滞せざるを得なくなる気がする。地中海に多く面した、素晴らしい立地を生かして、工業生産を活性化できないものか。見たところいたるところで、全体みなぎる淀んで停滞した感じを受けて辛かった。
 昼食の後、200km以上のバス移動で、クレオパトラが暮らしていた古代ローマ時代に繁栄を誇ったアレキサンドリアへ。