武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 エジプト旅行⑨

 この日がエジプト旅行の最終日、午前中にエジプト考古学博物館を見て、夕方には空路帰国の途に就く予定。
 最後のハイライト、考古学博物館は展示物が多すぎて、見て歩くと疲れる。ツタンカーメンの部屋など、素晴らしい展示物の羅列。ギザ地区に新しい博物館を建設中らしいが、展示物が素晴らしく多い。一つ一つ見ているとどれだけ時間がかかるか、分からない。とにかく、こんなに贅沢な展示品を持っている博物館は、世界でもめずらしいのではないか。2時間の見学時間が、あっという間に過ぎてしまった。
 カメラやビデオの撮影禁止について一言、私は賛成、禁止でないとなるとどんなに制止してもフラッシュは光り、ポーズをとった記念撮影ラッシュ、撮影が優先になって、鑑賞する人の妨害が目に余るほどひどくなる。しっかりと見てもらいたいなら、撮影は許可すべきではない。以前に、カメラを胸にぶら下げて、撮影ばかりしている日本人観光客を笑うジョークがはやったが、許可すればだれでも同じ。この考古学博物館が、厳しく撮影を禁止するのは正しいという気がした。

 街にでると、あいかわらずの車の渋滞、信号というものがほとんどなく、車はガンガンホーンを鳴らして隙間があれば入り込むという感じの走り方、現地ガイドに聞くと、それなのに意外と交通事故は多くないらしい。10年以上経過した、古い車が多いので、排気ガスもすごい。特に、タクシーの古いこと、走っているのが不思議なほど。
 ホテルから見た朝のカイロ市内の上空が、大気汚染で淀んでいた。 (画像は、ホテルの窓から見た朝のカイロ風景)
 古代文明が栄えた地域に、現代文明が栄えている例がないという話を聞いたが、エジプトには、底知れないエネルギーのようなものを感じた。そんな民衆のエネルギーが方向性を得て、形をなす日がいつ来るのだろうか。帰路の飛行機のなかで、そんなことを考えた。