武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 武蔵野に初霜、冬の始まり


天気が良ければ毎朝4〜50分、近くにある航空公園で散歩することにしている。今朝は、蒲団から這い出した時にいつもより少し寒いと感じた。カーテンの間から明けかかった空を見て、放射冷却の冷え込みが分かるほどに雲一つなく晴れ渡っていた。
眠気覚ましにコーヒーを一杯飲んだ後、カメラを準備して航空公園に行った。途中、米軍通信基地の脇を通っている時、朝靄の下の雑草が霜で白くなっていた。朝靄を入れて、霜の降りた風景をパチリ。公園の散歩も、昨日より一段と寒かった。
農業の真似事をやるようになって、初霜がいつ降りるかとても気になるようになった。寒さに弱い夏の野菜たちは、少々寒い日があっても何とかなるが、霜が降りるともうダメ、一斉に枯れてしまう。見事に一つの例外もなく、全滅してしまうから吃驚、可哀想だが仕方がない。葉っぱか茎のどこかに、零度を検出するセンサーでもあって、生きようとするスイッチが切れてしまうみたい。それに比べて、寒さに強い野菜は、霜が降りても何のその、かえって元気が出てきたみたいに青々と繁茂している。
最初の年、その余りの落差に吃驚仰天、枯れてしまった夏の野菜の前で悄然とうなだれてしまったことだった。記録を見ると、去年の初霜は11月4日となっている。たった一日違い、季節の移ろいは何と正確なことだろう。


  こころあてに折らばやをらむ初霜の
          置きまどはせる白菊の花
   (古今集)