武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2009-05-09から1日間の記事一覧

 『切支丹の里』 遠藤周作著 (発行人文書院1971/1/20)

深い旅、重い道行き、そんなフレーズを呟きたくなるような読後感だった。普通、紀行文は、初めて訪れた未だ見たことのない国や地方の風物人情を目にし体験した新鮮な驚きや感動を、表現の基調にすえることが多いが、この紀行文は、最初の感動がすっかり沈静…