武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のわずかの晴れ間をぬって早朝散歩出勤(写真は盛んに新芽を伸ばしている公園の樹、一斉に光に向かって手を伸ばしているよう)

toumeioj32005-06-15

 早朝は気温も20度以下で、スピードに乗って歩けば、身体にそよ風程度の風が来るので意外と気持ちよく歩ける。信号が赤だったりすると立ち止まるので、風を起こすことが出来なくなり、額と背中にじわりと汗が出てくる。自分が発散する体温が腰周りからのぼってきて体温に暖められた生暖かい空気に包まれる。自分の体温を自分で疎ましく感じてしまう一瞬がある。
 信号が変わり、早足で動き始めると動きにつれて風が流れ始め、少しずつ快適さが戻ってくる。夏になって通りすがりの庭に色のはっきりした花が増えてきた気がする。樹木の中に目立たないが強いにおいを放つ花を付けているものがある。今日は、ipod内田光子モーツアルトピアノ協奏曲21番を聞きながら歩いた。いつもながら第2楽章の緩やかな演奏部分に来ると、その身もだえしたくなるようなあまりの音の美しさに勤務に向かうのが馬鹿らしくなる。このまま方向転換して、どこかへ行ってしまいたくなる。誰だか忘れたが「あなたにとって生きているとは?」と聞かれて「モーツアルトが聴けること」と答えた人がいたそうだ。そんなキメ台詞を言ってみたくなるほどすばらしい。
 しかし、私はしがない勤め人。現実に立ち返り、今日も職場に向かうことにした。