武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

長い旅から帰ってくると数日間は

気持ちが落ち着かなくて
ぼんやりとした調整の時間
いわば時差ぼけのような時を過ごすことになる。


溜まった郵便物や新聞に目を通し
パソコンのメールをチェックしたりして
滞っていた日常業務を片付けて過ごすことになる。
冷蔵庫を整理して出かけたので
買い置きの食品も作り置きのオカズもなく
どの棚も隙間だらけ。
目立たないけれど床の絨緞にも
薄っすらと埃が溜まっていたことは
掃除機をかけてみるとよく分かる。


使い慣れたはずのアンプやプレーヤーに電源を入れ
テレビをつけ家電製品を目覚めさせる。
住人が旅に出ていた間
眠りについていたものを
一通り起こして歩く一連の儀式
数日間はこうして
住み慣れたはずの自宅に心を軟着陸させるために
ぼんやりとした時間を過ごす。