武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

[旅行][読書]沖縄ぬちぐすい事典―沖縄から伝える健康と長寿 (監修 尚 弘子 )(発行プロジェクトシュリ)

toumeioj32007-02-07

 沖縄を旅していて困ることがある。食材の名前が聞きなれない不思議な方言で表示されていて、一瞬、何のことか分からず聞き返しても、やっぱり分からない。方言といってもまるで外国語のようなイントネーション。そんな戸惑いから、何とか抜け出そうと沖縄の書店で見つけて、飛びつくようにして買った1冊。
 項目数は184項目と多くはないが、その代わりに美しい写真と適度な長さの説明文がついて、写真入の読み物として楽しめる作りになっている。沖縄旅行中、宿に帰って何度もページを開いて、ナルホドと納得したり感心したりして楽しませてもらった。
 前書きを読むと、長寿の県沖縄でも伝統食がすたれ、日々の食事がファーストフードの勢いの押し流されつつあり、若者の間から急激に沖縄の伝統食が失われつつあるらしい。その意味で、かなり沖縄の若者を意識して作られているような気がするが、沖縄好きの旅行者が読んでも、十分の役立ち楽しめる好著に仕上がっている。
 私が20代のころ、学費と生活費の足しにある印刷工場で深夜のアルバイトをしていた時、5人ほどの沖縄からの若者グループの側で働いたことがある。個人的に1対1で話すと普通に会話が成り立つのだが、彼らが集まって休憩時間にグループになり、親密な仲間内の語らいが始まると、何を言っているのか全く分からず、強い疎外感を感じたことがある。東北や九州の方言とも違う、全く別の国の外国語という印象を受けたことがある。
 この事典は、そんな苦い思い出を呼び覚ましてくれた1冊。沖縄についてもう少し知識がほしい人にとっては、絶好の友となるに違いないと思うので、是非お薦めしたい。
 (付け足し)ネットで沖縄について調べていたら、沖縄事典okinawawikiという有益な検索ページを見つけたので紹介。http://tiida.jp/OkinawaWikiこちらをクリックして一回訪問してみてください。