武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 《シチリア島の見聞》

 映画ゴッド・ファザーとニューシネマ・パラダイス、そして漠然としたシチリア・マフィア発祥の島程度の知識、だが、実際に行ってみて驚いた。
 イタリア半島のつま先にある三角形の島、実は、地中海最大の島で、面積は約26000㎡、四国の1.5倍もあり、東部に3323mのエトナ山があり、5月下中でも山頂は雪をかむっていた。予想していた以上に大きな島で飛行場が2箇所にあり、島を周回し縦断する高速道路が発達している。私達の使う島というイメージからは程遠い。
 ローマで乗り継ぎ、カターニャ空港に到着、アリタリア航空の接続が悪く、空港に着いたのは深夜、そのままタオルミーナ近郊のホテルへ。一日目は、船でエオリア諸島のリパリ島とヴルカーノ島を観光、上陸して古代遺跡や温泉保養地を見た。イタリアの高級リゾート地。南国の日差しが降り注ぎまるで夏、至る所でブーゲンビリア夾竹桃の花盛り、イオニア海の真っ青な海が眩しい。

 二日目は、タオルミーナ市内を観光、ギリシャ劇場、メッシーナ門、大聖堂など旧市街地の古代遺跡を見学、古代ローマに先立つ古代ギリシャの遺跡の数々。午後からアグリジェントへ移動する。
 三日目は、シチリアギリシャ古代遺跡のハイライト、アグリジェント遺跡の見学、いくつもの丘の上に聳えるギリシャ神殿に圧倒される。唯一神のための教会ではなく、八百万の神々を祭る神殿、この国の神社のようなもの、桁外れにスケールが大きい。時代も古い。午後は、パレルモ市内の観光。これで、シチリア島観光は終了、夕方、フェリーでイタリア本土のナポリへ。(画像は、なだらかな丘陵地に集中するアグリジェント古代遺跡群)
 シチリア島は古代から地中海の多くの民族によって殖民され、地中海の十字路と称されるだけあって、古代遺跡の宝庫、遺跡や博物館を時間をかけて観光、イタリア本土よりも一段と素朴なシーフードを楽しんで見たいところ。噂どおり柑橘類の果物が抜群に美味かった。高速道路からみた印象では、工業化は遅れており、雨が少ないので農業もなかなか厳しい気候という印象。自然と遺跡の観光がメインの島。