武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 桜の名所、東川の辺を散歩


 午前中、自宅から乗り物抜きで、歩いて桜の東川の桜を見に行ってきた。日中の咲き初めの頃に行ったのは今回が初めてなので、400本あまり植わっているという桜にも、ソメイヨシノだけではなく、いろいろの種類があることを初めて知った。川の両脇に植わっているせいで、川の水面の上には、伸ばしたいだけ枝を広げて、伸び伸びとした枝ぶりが相変わらず見事だった。ソメイヨシノは、7〜8分咲きで蕾がまだ残っていて、ほとんと散ってはいなかった。ここ数日で、満開を迎えることだろう。桜は散り際がひときわ見事なので、もう一度見に行きたい。 (画像は、護岸工事が進んで、川面も川岸もきれいに見える東川の様子、民家が込み合う辺りは様子が違うのだが)
 桜の花を食べるのか、野鳥がたくさん来てにぎやかだった。桜に沿って、町内会の雪洞が張り廻らされていたので、夜桜も今夜あたりから見ごろを迎えることだろう。戦後に植えられた太い老木には、たまに元気をなくして枯れるのかなと思うものもあるが、ほとんどの大木はまだまだ元気そう。植わっている条件がいいので、ここの桜は当分楽しめるに違いない。楽しみだ。
 帰り道、ワンちゃんのカフェがあったので、コーヒーを飲みに寄り道をした。ワンちゃんメニューがあるのには驚いた。散歩していても、犬を連れた人が増えたような気がする。


 江戸彼岸と大島桜から生まれた
 実を結んでも発芽の望みのない一代雑種、染井吉野
 花言葉は「優れた美人」
 何とも皮肉な鑑賞用の人工植物


 いろいろな理由のため
 樹の寿命が60年と仲間の桜の中でも
 きわめて短命だとか
 豪奢をきわめた満開の森そのものにも
 寿命があるとは何とも悲しい


 クローン植物ゆえ
 あちらでもこちらでも
 申し合わせたように一斉に花開くのだが
 一時に寿命がくるとどうなるか
 戦後60年、一つの時代の終わり
 染井吉野から厳かな弔鐘が響いてくる