武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 イギリス旅行10日間③

 この日は、エディンバラからグラスミアまでの230kmの移動日、途中でグレトナグリーンで小休止して、カンブリア地方の賑やかな田舎町ケズウィックで昼食とぶらぶら歩き。湖水地方のアウトドアの拠点地区らしく、アウトドア用品のショップが軒を連ねる。ただし、イギリスポンドのレートが高く、17.5%という驚異的に高い消費税がプラスして、値段を見ると何も買う気が起らない。イギリスの物価高は本当でした。
 そのあと、ロマン派の自然詩人ワーズワースが自ら設計し亡くなるまでの38年間を暮らしたライダルマウントを見学して、この日の日程を終了。小高い丘の斜面を巧みに利用して作られた自然を生かした庭園は、荒々しさたっぷりのなかなかの傑作、ここを気に入って長く住み暮らした理由がよくわかる素晴らしい環境だった。
 自然らしさを尊重するイギリスの自然観を反映してだろうと思ったが、周囲の風景に違和感なくするりと溶け込めて、気分が落ち着く。特徴的なのは、この地方だけではないが、イギリスではむき出しの地面というものをほとんど見ない。土があるところはほとんど芝生に覆われて、この時期は濃いめに黄緑でおおわれていること。 (画像は、ワーズワースが暮らしたライダルマウントの庭園からの見事な借景)
 湖と黄緑の芝生と、緑の木々と一斉に咲きだした色とりどりの花々、高原の爽やかさを平地に持って来たような典型的な内陸型のリゾート地、学校の夏休みと夏季休暇が始まりだしたので、続々と人々が集まりだしたような印象を受けた。