武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 深まる武蔵野の秋


 久しぶりにカメラを持って、自宅近くの農道を歩いてきた。近くの公園を横切り、北に向かうと都市近郊型の農家の野菜畑が一面に広がっている。特産の里芋畑は枯れた色を見せ、収穫待ちの畑と、既に収穫を終えた畑のどちらか。秋の情景が広がっている。ちなみにこの辺りでとれる里芋の美味しいことといったら、まるで程よく柔らかくなったバターをバターナイフで切るようにクリーミーで滑らか、あるいは絹の舌触りと言ったらいいか、とにかく美味しいのである。
 ここ何日か晴れ続きなので、農道は乾いていて歩きやすかった。土の感触が柔らかく、歩いていてすこぶる気分がいい。時々すれちがう農家の人にあいさつしながら、どこまでも歩いてゆけそうな気がしてくる。
 この時期、花の種類は少ないが、至る所で色とりどりの菊の花が真っ盛り、道端の菊を楽しみながら1時間ほど歩いて、強張りかけた足腰をほぐしてきた。
(画像は、菊の花にやってきたセスジツユムシ、少し気温が低かったせいか、カメラを構えてもじっとしていた、夜行性でチチチチチとささやかに鳴く。)