武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 ギリシャ旅行8日間①


 ヨーロッパを旅してみると、歴史の源流としてエジプトとギリシャ古代文明が気になってしかたがなくなる。エジプトは行ったがギリシャはまだだったので、今回ギリシャ8日間のツアーに参加した。
 13:20発のアリタリア航空便で成田を発ち、ローマの空港を経由して、現地時間で深夜の2時過ぎにアテネに到着、時差は6時間だが移動に要した時間はほぼ15時間、ギリシャは遠い。
 機内で何度か睡眠をとり、アテネのホテルでも3時間程度の睡眠をとり、いよいよ滞在1日目の観光が始まった。
 最初に見たのは、市内にある国立考古学博物館。現地のガイドの案内で、まずは紀元前2000年頃からのミケーネ文明の展示、黄金を基調にした展示品の高度な工芸技術に目を瞠った。
 続いてアルカイック期、古典期と古い方から新しい方へと順番に見て行くと、様式の変化と、人体彫刻の細部のリアルさが進化してきた様子が分かりやすい。
 大きな作品の圧倒的な存在感も素晴らしかったが、壺や小さな素焼きに近い焼き物の人形などが可愛らしく、気に入った作品がいくつも見つかり楽しかった。時間をかけて丹念に見て回りたい気がした。 (右の画像は紀元前20世紀以前の遺跡からの出土品、愛らしい子どものサークル)

 博物館の後は、世界史の教科書でおなじみのアクロポリス遺跡、修復中のパルテノン神殿やエレクティオン神殿が目の前にある。これまでに一体どれほどの観光客が訪れたことか、足下の大理石が摩滅してツルツルすべり、神経をつかって歩き回った。紀元前5世紀頃の遙かな遺跡を目の当たりにすると、様々な思いが次々とわき起こってきて抑えきれなくなる。その場に立って肉眼で現物を見ると言うことの、濃密な臨場感は言葉にならない。ここに立ったというだけでも価値があると実感する。
 余りに古い遺跡なので、完全な形は残っておらず、最小限の修復しかしてないので、想像力で補足して見ないと、全体像がつかめない。世界にはもっと大がかりな遺跡はたくさんあるので、パルテノンの美しさを見せるような見せ方の工夫ができないものか、惜しい気がした。 (左の画像は、アクロポリスの丘を下から見上げたところ、離れてみると美しいバランスが際立つ)