武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 ギリシャ旅行8日間②


 前日の午後を全部使って、アテネからカランバカまで350kmほどを大移動、この日は奇岩の修道院群で有名なメテオラの観光。 (奇岩の上の修道院、最初にここへ来た人は、ロッククライマーの修験者だったのだろうか)
 日本でも山岳信仰というか、人里離れた嶮しい山岳地帯を修行の場とした修験道が知られているが、ここの修道院のあり方もほぼ同じ。高さ数百メートルの奇岩の上に修道院を築き、瞑想の世界が創られている。宗教が心の生活の主要部分を占めていた時代の遺物というか、今は世界遺産に指定され、格好の観光旅行の対象になっている。
 現地に行くと、以前にも似たような場所に何度も来たことがあるという感じを受ける。モンサンミッシェルカッパドキア、モンセラートなど人里離れた奇観のロケーションには不思議な共通点を感じた。
 俗世間から隔絶した場所だけに、生きて行くためには相当の自給自足的な営みが大事だったらしく、作業小屋やワイン貯蔵所など、宗教生活以外の生活用品の充実ぶりが面白かった。
 中世の生きることに困難を極めた戦乱を逃れて、心の平安を求めてここにたどり着いたのだろうが、神との対話の中で、自問自答を繰り返して、修道僧達がたどり着いた境地が一体どんなものだったのか、文献が残っていれば読んでみたいという気がした。 (下の画像は、修道院の端に作ってあった可愛らしい菜園と花畑、宗教生活の合間に花や野菜を育てていた人がいたことだろう、微笑ましい)