野生のキジ(オス)との出会い
自宅近くの武蔵野の農地には、野生のキジが生息している。農地のわきを散歩しているといつもは甲高い警戒音を発して、警戒されるのだが、この日は、地面に落ちている麦の落ち穂をついばむのに夢中になっていて、近くに私がいるのに気付かない様子、ハトと一緒になって食事をしていた。
まだ子育ての時期でないのか、オスが一羽だけ、派手なファッションで目立っていた。農家の人の話では、キジはオスの方が身体も大きく、カラスなどの攻撃には、びくともしない強さだという。ネコなども適わないようだが、犬が苦手らしいという話だった。この辺りの農業者は、めったにキジを追い払ったりしないので、人間との距離を適当に計算しながら、のんびりと住み着いているキジも多い。
人によっては、水飲み場を作ってやったり、餌の少ない秋冬には、餌をまいてやったりする人もいる。キジと共存できるような環境が、すぐ近くに拡がっているというのは悪い気がしない。
逆しまに雉を吊せる青年は
漆黒の森を背負いて行くか 前登志夫
このような心境から、すでに遠い所にいる自分を、今の私は悔いる気はない(笑)。