武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 南インドツアー印象記(7)


 この日の午前中は移動日、コチンのホテルを出て、郊外の空港から1時間ほどかけてデカン高原南西部の都市バンガロールへ。ここは最近では急成長をとげるIT産業の中心地として有名。午後はバンガロールからホスペットへバスで大移動。
 バンガロールの空港に降りた瞬間、激しい太陽光線にさらされて、これからの日程に悪い予感をおぼえた。露出している皮膚に、紫外線と赤外線が突き刺さってくるのがよく分かる。慌ててサングラスを捜したほど。内陸なので湿度は低いが、気温は軽く35℃をこえている。
 冷房の効いたバスに乗ってほっとしていると、走り出して間もなく、バンという嫌な音、道端で遊んでいたインド人の子どもが投げた石がバスのフロントガラスに命中、蜘蛛の巣のようなヒビが入ってしまった。運転手はカンカンになり、その子どもが住んでいるとおぼしい村に行き、男達が働きに出て女達しか残っていない村の衆と、話し合いが始まった。(画像の子ども達は投石と無関係、田舎の村ではほとんどの子ども達は裸足で暮らしている)

 どうなることやらと、成り行きを見守っていたが、しばらくして運転手が戻ってきた。貧しい村のようなので賠償は無理、バス会社に連絡したら「警笛を鳴らして予防しなかった運転手の落ち度だ」と言われたとか、その後の運転が乱暴にならないか心配したが、何とか気持ちをなだめたようだった。
 そんなことがあって子どもの様子を気を付けてみていると、けっこう石を投げて遊んでいる子がいる。石ころしかないような何もない所なので、分からないではないが、困ったものだ。 (左の画像は、ある村で見かけたイノブタ、前回来たときイノシシと間違えたやつ、ゴミをあさっていた、中にはウリボウを連れたのもいた)
 バンガロール空港周辺は、インドらしくないほど立派な道が敷かれているが、いったん郊外に出てしまうと、どこでも同じ凸凹のインドらしい田舎道、冷房が効いていることを幸いとしてひたすら移動を続け、6時頃やっとホスペットのホテルに着いた。