武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 ベトナム旅行印象記(2)


二日目は楽しみにしていた世界遺産ハロン湾のクルーズだったが、ベトナムに着いた日から、モンスーンが来ていて、気温が低く分厚い雲に覆われたあいにくの天気、雨合羽と傘が手放せない天候となった。
バスでクルーズ船乗り場に移動、中型の舟でダウゴー島に行き、鍾乳洞を観光した。島の内部に出来た巨大な鍾乳洞のドームはこれまでに見たことがない大規模なもの、所々カラーでライトアップされていたが何となく安っぽい、鍾乳洞自体は素晴らしいものなので、自然なままを見せる工夫がほしかった。 (画像は鍾乳洞の島の船着き場、たくさんの観光クルーズ船がひしめき合っている)
鍾乳洞の島から、水上生活者の養魚場に移動、生け簀で飼われているカブトガニやシャコなど食用の魚介類を注文、クルーズ船のキッチンで料理してもらい、船内の昼食の時に食べられるという演出、出された海鮮料理は新鮮でいずれも美味しかった。船内から少しだけハロン湾の奇岩を観光した後、舟は港に戻り、バスで3時間半をかけてハノイ市内へ戻った。ハロン湾の風景を観賞するには、改めて別の方法を検討しなければかなわないことが分かった。広大な風景美を鑑賞するのはまことに難しい。
ハノイ市内では、古い大学跡文廟を観光、中国の影響が強く、科挙の試験の合格者の名前を刻んだ石碑が亀の石像の上に乗ってずらりと並んでいた。数千倍の倍率によって絶望しか手に出来なかった受験生のことを思い、栄誉と無情の落差の大きさを想った。その後、建国の父ホーチミン廟、一柱寺など簡単なハノイ市内観光の後、土産物店に立ち寄り、レストランで食事をして市内のホテルにチェックイン。この日は一日中厚い雨雲に覆われて肌寒く、東南アジア亜熱帯地域の北東の風が吹くモンスーン季節風がどんなものなのか、じっくりと体感した一日となった。