武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 早朝の冷え込みが厳しくなってきた武蔵野


日の出前に起き出して、コーヒー一杯、頸にマフラーを巻き、防寒仕様のジャンパーを着て、薄暗い中を散歩に出かける。毎日の日課である。
耳が痛いのでBoseのヘッドホンを付けてみたところ、大変に具合良いことが分かった。車道から離れた公園内でも、樹木の間から市街地の雑音がある程度伝わって来る。ヘッドホンのノイズキャンセル機能が効いて、ピアノソナタアダージョ楽章のピアニシモでもクリアに聴き取れて快適、車の心配がないので安心して散歩と音楽鑑賞に専念できる。
最近のヘッドホンの進歩は素晴らしい。装着感もぐんと良くなり、ノイズキャンセル機能やサラウンド効果は、従来のスピーカーシステムでは期待できないような音響を聴かせてくれる。もともとヘッドホンが好きだったので喜んで使っている。
このところ寒さが厳しいので、道端に大きく育った霜柱を見かけるようになった。気になったので霜柱について調べてみたら、気温がマイナス、地中の温度がプラスの時、地表の水分が凍結、地中の水分が地表に毛細管現象で吸い上げられて次々と凍結を繰り返すことにより、地表を柱状に持ち上げて、霜柱の氷柱が出来るということだった。
畑などの踏み固められていない場所で起きやすく、畑の表土を持ち上げて、育ち始めた冬の苗の根を傷めてしまうこともあるという。日が昇ってしばらくすると、霜柱が溶け出して、地表が湿りうっかり歩くと泥足になってしまう。綺麗に見られるのは朝のうちだけ。


   六十歳のわが靴先にしろがねの霜柱散る凛々として散る 

     (木俣修)