武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 3月第2週に手にした本(7〜13)

*情けないことに書庫にあることを忘れて同じ本を買ったり、読んだことすら忘れて図書館に予約を入れたりするようになってきた。読んだり読みかけたりした本を備忘録としてメモ、週1で更新しています。

11日の東北関東大地震以降
ほとんど本が読めなくなった。
強いて読もうとしても
内容が頭に入らず、
物語にも入ってゆけない。
徒にページをめくったりしながら
被害に遭ったわけでもないのに
鬱々とした気分に落ち込んでいる。
一日も早い復興を願う。

◎M・J・アドラー/C・V・ドレーン著/外山滋比古/槇未知子訳『本を読む本』(日本ブリタニカ1978/6)*自分を深めたり広めたりするための読書についての正統的な読書論、斜めに構えた読書論は多いが、真正面方の正攻法の読書論に好感がもてた。第三部<文学の読み方>と第四部<読書の最終目標>の内容が深い、ここだけでも読む値打ちがある。
北村薫編『謎のギャラリー特別室』(マガジンハウス1998/7)*北村薫が選んだ傑作短編のアンソロジー、ほとんどが未読。燻し銀のような好短編が並んでいて感心した。
◎大熊由紀子著『物語介護保険―命の尊厳のための70のドラマ・下』(岩波書店2010/8)*介護保険がスタートするまでの関係者のエピソード、後半の35篇。介護保険成立に向けた著者の行動が背後に流れており、関係者の熱意が伝わって来る好ドキュメンタリー。
内田百間著『新輯内田百間全集2』(福武書店1986/12)*「百鬼園随筆」を主たる内容とした全集の2巻目。
内田百間著『新輯内田百間全集3』(福武書店1987/1)*「続百鬼園随筆」を主たる内容とした全集の3巻目。
◎石原美智子編著『夢をは食む女たち―新生メディカル・福祉ビジネス実践論』(中央法規出版2002/7)*介護保険をどのように受け止めて、岐阜県内を活動範囲とするある福祉企業が、どんな理念に基づいてどんな活動に取り組んできたかをまとめた、地方からの実践報告。介護保険スタート時の地方の熱気が伝わって来る。