武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(16)


《夏草とのせめぎ合い》

梅雨のシーズンからこの方、敷地に生えてくる夏草との闘いが続いている。
春先は宅地部分に進出してきたササとの攻防だけだったが
気温が上昇して長雨が水分をたっぷり補給する頃から
背が低くなったササの間から多様性に富んだ野草が芽を出し
うっかりしているとみるみる猛々しく育ち始めるので油断ならなくなった。
(画像は敷地に繁茂する早朝の夏草の様子)


宅地への進入路のタイヤが踏まない中央帯の雑草も
しばらく留守にするとクルマの下を擦るまでに伸びている。
自生している野草との共生とは言っても人目もあるので気が気ではない。
親しくなった近所の方が草刈のついでに敷地の一部を
刈り込んでくださることもあり重い腰を上げざるを得ない。


夏草との闘いとは言え、実際に刈り込んで様子を見ていると
ササも野草も刈り取られることは、相当のダメージらしく
刈り取った後はおとなしくなり、その後から出てくる奴は
背丈も低くなり葉のつき具合も元気がなくなる。
根競べだと言う経験者の話の通りだわいと納得する。


宅地部分の草刈で心ならずも刈り取ってしまう草木もある。
代表的なのはヤマユリ、栄養不足らしく
細くて小さいやつを何本も刈り取ってしまった。
野鳥が落としていった種から発芽した
沢山の山椒の苗も思い切って切り払った。


手作業で草むしりをするには広すぎるので購入した草刈機を使い
回転するナイロンコードが鞭のようにして草をなぎ倒す。
びしびしヒューヒュー草刈をしていると濃厚な夏草の匂いが立ちのぼり
みるみる夏草が粉砕されてゆき、少し残酷な快感を感じることもある(苦笑)。
ゴメンゴメンと謝ってみたり、コンチキショウとふて腐れてみたり
夏草とのせめぎ合いに新住民の心は揺れる。