武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(27)


《薪ストーブの排煙効率を改善してみた》

敷地の伐採された倒木の処分をかねて薪ストーブを愉しんでいる。
実際に使ってみると、石油ストーブやガスストーブと違い
薪の乾燥具合や木の種類や太さなどの諸条件によって燃え方がまったく違い
大変に世話のやける暖房器具だと言うことが次第に分かってきた。


まず環境対策として大気中に出てゆく有害物質を最小限に減らした燃やし方を心がけ
黒や青や白などの煙を出さないように燃え方に気をつけている。
よく乾いた薪を、十分に空気を供給した状態で、高温を維持しながら燃すには
どうすればいいかということであるが、これがなかなか難しいのである。
特に十分な空気の供給ということが難問だった。


その一、まず煙突を高くすること。
これは、排煙効率を良くすることとストーブを使っている自分自身から
有害な煙を少しでも遠ざけて影響を減らし
空気中に排ガスを拡散するという効果を期待できるからである。
セットの煙突だけでは不安だったのでまず煙突を追加注文した。
〔ハゼ折煙突シングルの太さ106mm直筒1個を追加購入〕
煙突を1mほど高くして実際に薪を燃やしストーブの燃え方をテストしてみた。

どうも煙突の排煙効率が今一つよくないので仕方なく、
ドライヤーを使って空気を送り込み送風機の代用をさせてみたりしたけれど
面倒なので自然な状態で排煙効率を改善できないか考えてみることにした。



その二、二重煙突を自作すること。
煙突そのものに備わっている煙突効果を高める方法として
二重煙突が作られていることを知り
高価なので自作出来ないか熟考しているうちに
ロケットストーブのアイディアをヒントにして自作する方法を思いついた。
〔ハゼ折煙突シングルの太さ150mm直筒と二つ割2個を追加購入〕
長さ830mmのステンレス筒の両端に万能ハサミで短冊状に切れ目を入れ
ペンチで折り曲げて106mmの煙突を中に通し
追加購入したステンレスの二つ割でまず片側を固定
反対側の隙間から断熱材としてパーライトを流し込み
もう一方も二つ割で短冊を塞いで固定した。
(右の画像は、短冊状の切れ目を折り曲げて二つ割で固定したところ)

この状態で燃焼テストをしてみたら確かに排煙効率が向上、
ドライヤーを使わなくても小さな吸気音を響かせてよく燃えるものの
効果があるならさらに二重煙突を長くしようと考えた。


その三、二重煙突を追加すること。
〔ハゼ折煙突シングルの太さ150mm直筒と二つ割1個を追加購入〕
長さ830mmのステンレス筒の片方だけ短冊状に切れ目を入れて折り曲げ
片方は元の二重煙突にはめ込み残っていた断熱材パーライトを流し込んで
追加購入したステンレスの二つ割で塞いで固定した。
これで二重煙突部分の長さが二倍になり
煙突の大部分が二重煙突仕様になった。
(一番上の画像は、二重煙突を二本つなげて円筒効果を最大化したところ、ストーブ本体よりも煙突に存在感がでてしまった)

さて、燃焼テストをしてみたら空気の吸い込みがさらに良くなり
ストーブの燃焼室周りのステンレスが高熱のあまりほんのり赤くなるほどよく燃える。
この状態は、燃費の面から考えると燃えすぎて熱効率の良くない燃え方になるかもしれないが
屋外で敷地の倒木を焼却処理している現状では歓迎すべき燃え方と言って良い。
可燃ガスが燃え尽きてすべての薪が熾き火状態になったら
煙突を外してストーブを室内に移動し火鉢の代わりにして暖房用コンロとして利用している。
2時間ほどで熾き火は燃え尽きてしまうが、暖房と調理に十分役に立っている。

手製の二重煙突をお考えの方、お試しあれ。
(三つ目の画像がオリジナルな時計型ストーブセット)