武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(31)


《侮りがたし赤城颪(おろし)》


標高が500mほどあって現住所より少し北にあるので
夏は涼しいけれど冬は厳しいだろうと予想していた。
日当たりが良い南斜面にあるため日中は日差しポカポカで
天気さえよければ現住所のマンションよりすごし易いのではないか
と思っていたのだけれど、山頂から吹き降ろしてくる
いわゆる<赤城颪(あかぎおろし)>の猛威には参った。
(画像は強風が吹いた日の透明度の高い夜明け)


強風が吹きすさぶ時には不用意にクルマのドアを開けると
ドアが風の力でこじ開けられそうになる。
外に出ると体感温度は一気に下がり立っているのも辛い。
風上に向かって坂道を上ることの辛いこと厳しいこと、
中古の山荘までがミシミシ悲鳴をあげる。


すでに幾つか実害もでている。
それほどの低気温でもなかった日に
北側に設置してある屋外のガス湯沸かし器が凍結
配管が壊れて漏水事故が発生した。
水道水の水温があまりにも低く
歯磨きも洗顔もままならず
水仕事は湯沸かし器がないと何もできない。
湯沸かし器は冬の必需品のはずなのに・・・。


風の通り道に生えている敷地内のクヌギの老木の枝が
強風に煽られて折れ、進入路に落下、
落下時に屋根に当たり、屋根瓦を破損した。
かなり太い直径5cm以上の枝まで折れているので
どんな強風が吹いたのか不在時だったので分からないが
台風並みだったことは間違いない。
こうして薪ストーブの燃料ばかりが増えてゆく(笑)。


建物自体は雑木林の中に位置しており
防風林のありがたさを実感しているけれど
深夜、寝ている時、赤城颪が吹き荒れる時
ゴーゴーと唸る雑木林の風の音に何度か目が覚めることがある。
山荘はミシミシ、外はゴーゴー、
室内の気温がグングン下がってきているのを布団の外に出ている顔で感じる。


冬の間だけでも小型の風力発電機を設置してみようかなと考えてしまう。
初めての山荘の冬だけれど、赤城颪のうわさに違わぬ威力には吃驚している。